近年、複雑化が加速するサプライチェーンの世界で、国際物流の効率化・最適化を実現するためのキーパーソンとして急速に注目されているのが、Chief Logistics Officer(CLO/物流統括管理者)です。
海外ではすでに定着しつつある存在ですが、ここ日本でも物流関連2法改正によってCLOの設置が一部の荷主企業で義務化され、企業の関心が一気に高まりました。
本記事では、CLOの定義や歴史的背景、存在意義・メリット、さらに法改正と国内における動向や課題、そしてShippioのサービスを活用した最新のソリューションまでを幅広くご紹介します。
CLO (Chief Logistics Officer)とは、企業の物流領域を統括する最高責任者のことです。CEO(最高経営責任者)、CFO(最高財務責任者)、COO(最高執行責任者)などと同列で語られることが多く、物流戦略とサプライチェーン全体の整合を取る重要な役職になります。
以前は「物流部門長」や「ロジスティクス・ディレクター」などの名称で呼ばれていたポジションが多かったのですが、海外ではサプライチェーンの高度化が進むなかで「物流を経営レベルで指揮する役職」として、経営の中核としてのポジションが確立されてきました。
欧米を中心に、EC拡大や複雑化する国際物流を背景に、CLOが戦略的リーダーとして脚光を浴びてきました。一方、日本では近年になり、「物流関連2法改正」によって、一定規模以上の荷主企業に物流領域を統括する管理者を置くことが義務づけられる方向に。これがCLO(物流統括管理者)として定義され、国内企業でも導入検討が急速に進む契機になっているのです。
具体的には、働き方改革やドライバー不足の対策、事故防止や環境規制の強化など、多方面の要請が一斉に高まり、現場任せでは限界に達した物流業務を経営層が統合的に管理しなければならないという考えが広がってきました。
かつて物流は、製造・販売の裏方的存在と見られがちでしたが、1980〜90年代のサプライチェーン・マネジメント(SCM)台頭から、調達・生産・在庫・輸送・販売を一体化する必要性が認識され始めます。さらに2000年代以降は、国際競争の激化やEC市場の飛躍で物流が企業価値や顧客満足度を左右する場面が増えました。こうした流れのなかで、CLOという専任ポジションが確立され、経営の効率化だけではなく、売上利益を生むプロフィットセンターとして、海外の先進企業を中心に成果を上げています。
物流は、調達から販売までの“流れ”を物理的に支える要素です。しかし、工場や倉庫、運送会社、通関業務など、担当者や部門がバラバラに動いてしまうと、リードタイムが延びたり、コストが膨れ上がったりしがちです。CLOは製造・調達・販売など関連する各組織をまとめ上げ、全体最適を指揮する司令塔として機能することが求められます。
先述のとおり、日本では物流に関する「流通業務総合効率化法」と「貨物自動車運送事業法」の法改正が進んでおり、CLO(物流統括管理者)を置くことが求められる状況になりつつあります。これには、ドライバー不足や環境負荷への対応、働き方改革の推進などが背景にあります。CLOが労働時間や輸送スケジュールを統合管理し、安全かつ効率的な物流運営を促すことが期待されているのです。
DX(デジタルトランスフォーメーション)が急務となる物流業界では、貨物のリアルタイム追跡や在庫情報のオンライン可視化といったトレーサビリティが大きなテーマです。CLOは、これらデジタル技術の導入・投資を主導し、組織横断的にITシステムやデータ分析を調整する役目を果たすため、企業の革新において中心的な存在となります。
物流の品質や納期、トラブル対応は顧客の満足度と直結します。海外展開やECビジネスで差別化を図るうえで、「いつでも確実に届く」「コストが抑えられる」「トレーサビリティが担保される」といったことは大きなセールスポイント。CLOが戦略を描き、最適化を進めれば、企業ブランドの信頼が高まり、市場競争力も向上します。
CLOの指示で、サプライチェーン全体のボトルネックを明確化し、輸送ルートや通関フロー、倉庫作業を再設計することで、納期が安定し、急な需要変動にも即応できます。また、地政学リスクや自然災害に対して代替ルートを確保するなど、レジリエンス(回復力)が高まります。
CLOが主導権を持って様々な部門を横断しながらDXプロジェクトを進めると、AI需要予測、倉庫の自動化、リアルタイム位置情報の活用など先進的な技術導入が加速し、作業員の負担軽減やノウハウの標準化が進みます。これにより、慢性的な人材不足にも対応しやすくなり、データドリブンな物流を実現することができます。
輸出入が当たり前になったグローバルなビジネス環境で、CLOが海外拠点やフォワーダー、通関業者と連携し、国際運送や規制への対応を一括管理できれば、納期や品質、コストの安定性が増し、海外顧客やパートナーとの信頼関係を築きやすくなります。
実際にCLOが物流改革をリードすると、このような効果が見込まれます。
物流関連2法の改正でCLOの義務付けが進む中、適任の人材不足が課題となりそうです。物流知識だけでなく、通関や海外輸送、ITリテラシーまで多角的スキルが要求されるため、企業としては研修や組織化、外部コンサルとの連携がカギになるでしょう。
企業内にCLOがいても、アナログな作業ばかりでは大きな成果は得にくいです。WMS(倉庫管理システム)やTMS(輸送管理システム)、AI需要予測ツールなどを統合し、リアルタイムでデータ駆動型の意思決定をする体制が重要です。
自然災害や地政学リスクが相次ぐなか、複数の輸送ルート・サプライヤーを確保しておき、何かあってもサプライチェーンを迅速に切り替えられる能力が求められます。さらに、環境負荷低減や人権問題への配慮も必須で、CLOがESGやSDGsの観点からサプライチェーン全体を再編成する動きが加速すると予想されます。
海外では自動倉庫や無人トラック、ドローン配送など先端技術を活用する例が増えています。CLOがこうした技術革新を率先して取り入れれば、生産性と品質が飛躍的に向上し、日本企業が新たな競合優位を築くことも可能となるでしょう。
CLO(物流統括管理者)の役割は、もはや「物流部門の責任者」という枠にとどまりません。調達・在庫・輸送・顧客対応まで、企業活動の中核を担う戦略ポジションとして、全体最適を追求します。特に、日本国内での法改正による義務化の流れや、DX・トレーサビリティへの対応が求められる現代では、CLOの必要性が急速に高まりつつあります。
今後、CLOが中心となったロジスティクス改革が日本企業に広く普及することで、国際競争力の底上げと働き方改革、環境問題への対応が加速すると期待されます。
CLOがロジスティクスを統括するには、輸送状況や在庫データをリアルタイムに把握し、海外拠点や通関業務ともオンラインで連携するDXプラットフォームが重要です。株式会社Shippioが提供するサービスは、国際輸送の予約から船積み・通関・配送までをクラウドで一括管理し、CLOが描く戦略的物流オペレーションを支援します。
CLOが物流全体を統括し、Shippioのプラットフォームを活用すれば、サプライチェーンにおける輸送・在庫・リスク管理がトータルで洗練され、企業の競争力アップに直結します。
Shippioの物流DXプラットフォームなら、CLOが指揮する輸送管理や倉庫管理をオンラインで一元化し、データドリブンな意思決定を加速できます。ぜひ資料請求を通じて実際の導入事例や具体的なメリットをご確認いただき、CLO体制構築の一歩を踏み出してみてください。企業のサプライチェーンをより強固に、スピード感あるものへと変革するきっかけとなるはずです。