HSコード(Harmonized System Code)は、関税計算や貿易に欠かせない分類コードです。しかし、「輸送そのものに直接関係しない」と考え、重要性を実感されていない方も多いのではないでしょうか?
2019年にTPP(環太平洋パートナーシップ協定)やEPA(経済連携協定)などの自由貿易協定が相次いで発効し、原産地証明書を用意する必要性が増加しました。この原産地証明書を作成する上で、HSコードの正確な把握が必須です。HSコードを理解することで、自由貿易協定を活用し、特恵関税の恩恵を受けることが可能になります。
Shippioは、国際輸送を手配する日本初のデジタルフォワーダーとして、貿易業務全体の効率化をサポートしています。HSコードの確認や輸送についてお困りの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。資料請求も承っています!
HSコードは、国際的に統一された商品分類体系で、6桁のコードを基準としています。この6桁のコードは、「商品の名称及び分類についての統一システム(Harmonized Commodity Description and Coding System)」に基づいて世界税関機構(WCO)が定めたもので、現在約200の国と地域で使用されています。日本では、この6桁にさらに細分化した9桁や10桁が使われ、貿易や関税に関する統計や手続きに活用されています。
このように、HSコードを調べることで、品目に応じた関税率や原産地規則を把握することが可能です。
HSコードは6桁まで世界共通のため、各国で同一番号を使えば、現地語を読めなくても輸入税率や品目分類を簡単に確認できます。
経済連携協定(EPA)の適用税率や原産地規則も、交渉時のHSコードに基づいて規定されます。正しいHSコードを理解していれば、特恵関税の適用を受けやすくなります。
HSコードは約5年ごとに国際的な見直しが行われ、最新の改訂版は2022年1月に施行されました。品目コードを最新のものに更新することで、関税率や規則の適用を正確に行うことができます。
各国の貿易統計もHSコードを基に作成されており、国際貿易におけるデータの一貫性を支えています。
EPAの関税率や原産地規則は、協定締結時のHSコードに基づくことが多いため、最新版だけでなく過去のコードも確認する必要があります。
日本の財務省関税局が提供する検索ツールを使えば、製品に該当するコードを簡単に見つけることができます。
取引先がすでに使用しているHSコードを確認したり、貿易の専門機関やフォワーダーに相談することで正確なコードを特定できます。
経済連携協定の資料を活用し、対象品目に適用されるHSコードを確認することも重要です。
正しいHSコードを使用すれば、自由貿易協定を活用して関税を削減できる可能性があります。
適切な分類でトラブルを未然に防ぎ、スムーズな貿易手続きを実現します。
貿易統計や輸出入手続きの効率化が可能になります。
HSコードは国際的な貿易における標準的な商品分類コードですが、一部の国や地域では独自の分類体系が使われています。これらのコードは、HSコードを基にしており、各国や地域の貿易体制に特化した仕様が特徴です。貿易を円滑に進めるためには、これらの違いを理解しておくことが不可欠です。
アメリカで使用される関税コード「Harmonized Tariff Schedule(HTS)」。
MERCOSUR(南米南部共同市場)の加盟国で使用される共通のコード「Nomenclature Comum do MERCOSUL」。
欧州連合(EU)内で使用される「Combined Nomenclature」。
ASEAN(東南アジア諸国連合)で採用される「ASEAN Harmonized Tariff Nomenclature」。
照会書(C-1000号)、貨物の詳細(製法、性状、成分割合など)、参考資料(見本や写真)を輸入予定の税関へ提出します。
税関が照会内容を審査し、原則30日以内に「事前教示回答書」が回答書を発行します。回答書の内容は3年間尊重され、輸入手続きの際に活用可能です。
複数品目の照会は1品目ごとに個別に行う必要があります。また、輸入予定品に関する詳細な情報が求められます。
Eメール照会はあくまで参考情報となり、申告時の審査では尊重されないため、文書での事前教示を推奨します。
アメリカやブラジルなど独自コードを採用している国では、現地の通関業者や輸入者と事前に確認を行う必要があります。
誤ったコードの使用は罰金や通関の遅延を招く可能性があります。特に初めて扱う品目については慎重な確認が必要です。
Eメールによる事前教示は参考情報として扱われるため、重要な取引では文書での事前教示を取得するのが安全です。
HSコードは、関税の計算や自由貿易協定(FTA/EPA)の利用において重要な役割を果たしています。正確なHSコードを理解し活用することで、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)やEPA(経済連携協定)の特恵関税をよりスムーズに適用できます。
特恵関税の適用を受けるためには、特定原産地証明書が求められます。この証明書には、輸入相手国で使用される6桁のHSコードを正確に記載する必要があります。
HSコードの**「号」=6桁**は国際的に共通であり、日本で調査したコードと相手国のコードが一致することが必須条件です。一致しない場合、特恵関税が適用されない可能性があります。
商品によっては分類が複雑で、取引国間で解釈が異なる場合があります。このような場合、事前に相手国の輸出入者を通じてコードが一致しているか確認することが不可欠です。確認が不足すると、特恵関税が利用できなくなるリスクがあります。
原産地規則や関税率は、最新版のHSコードではなく、協定締約時または交渉時に適用されていたコードに基づいて規定されています。この点に注意し、対応するバージョンのコードを確認する必要があります。
各国の関税率や原産地規則に関する最新情報を常に確認することで、貿易業務のトラブルを回避できます。
各国の原産地規定・関税率は以下表をご覧ください(2023年3月更新)
日欧EPAやTPPなど自由貿易協定の発効により、関税撤廃の恩恵を受けるためには、今後も原産地証明の提出は欠かせません。正確なHSコードの把握は、原産地証明書の作成や特恵関税の適用において重要な役割を果たします。
Shippioでは、国際物流プラットフォームを活用し、貨物運送の際に必要なHSコードの調査や確認をスムーズに行う環境を提供しています。さらにプラットフォーム上では、情報を一元管理するため、過去のメールを遡る手間が省け、より円滑なやり取りとコミュニケーションが可能です。
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