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物流の改善事例を詳しく紹介|改善が求められている背景や重要性を解説

作成者: Shippio|2023.06.08

自社の物流に対して、

 

  • 課題感や危機感を抱いている
  • どのように改善したらいいかわからない


という悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?

本記事では、物流改善の背景、その重要性、そして具体的な物流改善事例を紹介します。
この記事を参考にして、自社の物流改善に役立ててみてください。

物流業務の改善が求められる背景

物流業務の改善は、経営の観点から重要な課題となっています。その背景には、需要の増加、働き手不足、新たなテクノロジーの進展、そしてグリーン物流と持続可能性への意識の高まりがあります。

 

2023年6月2日に内閣官房によって開催された「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議 」でも物流分野の課題への対応について、以下の通り述べられています。

 

”物流は我が国の国民生活や経済活動、地方創生を支える重要な社会インフラであり、我が国経済の力強い成長や、より豊かな国民生活の実現等のため、その機能を十分に発揮させていく必要がある。一方、物流分野においては、人手不足や労働生産性の低さといった課題に対応するため、働き方改革の推進が求められているほか、カーボンニュートラルへの対応にも迫られている。”

需要の増加と深刻な働き手不足

EC、Eコマースの増加の影響で、物流の需要は大きく増加しています。また、物流における消費者が求めるサービスレベルの要求は年々上がっている状況です。

 

この状況に反して、物流業界における働き手不足は深刻です。特に規制が厳しくなる「2024年問題」も相まって、働き手不足は急速に進行していくことが予想されています。

 

「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議 」でも以下のように述べられています。

 

”「2024 年問題」は当該時点を乗り越えれば終わる一過性の課題ではなく、当該時点から始まる構造的な課題。輸送力が 2024 年度には 14%(トラックドライバー14 万人相当)、2030 年度には 34%(トラックドライバー34 万人相当)不足し、今のようには運べなくなる可能性があると推計されている。”

新たなテクノロジーや自動化の進展

需要増加と労働力の供給不足で、着目されているのが新たなテクノロジーの活用です。AI、IoT、自動化などの新技術の進歩は、物流の効率を大幅に改善する可能性があります。

 

これらのテクノロジーは、リアルタイムでのトラッキングや最適化されたルート計画などを可能にします。このようなテクノロジーやシステムをうまく活用できるか、できないかによって企業間に物流格差が生じます。

グリーン物流と持続可能性への意識の高まり

また、物流業務の改善が求められる背景として、グリーン物流の推進や持続可能性への意識の高まりなども関係しています。

 

海運業界は21世紀に入ってから環境対応を強化しています。2018年にIMO(国際海事機関)で採択された「GHG(温室効果ガス)削減戦略」では、以下の3点を目標として掲げています。

 

①2030年までに2008年比でCO2を含む温室効果ガス排出効率を40%改善すること

②2050年にGHGの総排出量を2008年比で50%削減すること

③長期的にはGHGの排出量をゼロにすること

 

これらの目標を達成するためには、既存の物流業務の中でも、運輸や輸配送の改善が必要不可欠となります。

物流改善の重要性

需要の増加、働き手不足、新たなテクノロジーの進展、そしてグリーン物流と持続可能性への意識の高まりなどもあり、様々な観点で物流業務は改善を求められています。

また、物流のあり方自体が企業の競争力を維持し、成長を続けるために重要な要素となります。

 

前述した通り、消費者が求める物流へのサービスレベルの要求や水準、期待値は高まっています。こうした状況では、いかに素早く商品が届くか、いかにスムーズで柔軟に配送が可能かなど、物流サービス自体が商品の競争優位の重要な要素の一つになります。

荷主が取り組める物流の改善事例

具体的に、荷主が取り組める、物流改善の事例をいくつかご紹介します。

システムを活用した物流の自動化、可視化、コスト削減

デジタルやシステムを活用した物流の自動化・可視化・コスト削減は、Amazonなどの大手企業ではすでに実践されています。また、物流データの分析を通じて、物流コストを削減し、顧客サービスを改善することもできます。

 

在庫管理システムのような特定の工程の業務効率化・可視化に特化したツールも存在します。Shippioは国際物流の可視化ができるクラウドサービスで、貨物の輸送状況をリアルタイムで確認することができます。

 

例えば、Shioppioを活用している株式会社武田コーポレーションは、本船動静情報の自動確認を実現し、ビジュアル的に業務の進捗状況や危険性の可視化に成功しています。

 

 

これにより、Shippio導入後、春節明けのデマレージやトラブルがほとんど発生することがなくなり、物流の改善に成功しています。

 

▼武田コーポレーションの導入事例を詳しく知りたい方は以下記事をご覧ください。

Shippio導入で組織が急成長!貿易実務への影響と貿易DXの効果はどれほどあったのか

物流拠点の見直し

一部の企業では、物流拠点の見直しにより、輸送距離を短縮し、結果として輸送コストと環境への影響を減らしています。

 

「物流拠点を集約する」というのも物流改善の一つの施策です。不必要な拠点を集約することで、倉庫の保管コストや人件費を下げるだけではなく、保管されている商品の可視化や確認効率をあげることにも繋がります。

モーダルシフトによる環境負荷の低減

グリーン物流の取り組みとして、一部の企業はモーダルシフトを進めています。これは、トラックから船舶や鉄道へと輸送手段を変更することで、環境負荷を低減する取り組みです。ヨーロッパではこのモーダルシフトが進んでおり、環境への影響だけでなく、輸送コストの削減にもつながっています。

しかし、船舶は大量輸送を行うため規模が大きく、輸送する貨物の絶対量が必要になります。

 

拓殖大学商学部の松田教授はモーダルシフトを実現するためのキーポイントとして

 

”航空輸送の主要な利用動機に非常時対応があることを考えると、海上輸送の割合を増やすために「非常時」の発生頻度をどれだけ減らせるかも大きなポイントです。モーダルシフトに際しては、サプライチェーンの複線化や安全在庫の確保なども必要になります。さらに、コンテナ輸送の所要時間が長くなることを考えると調達元の変化や新たな調達元の確保といった行動も視野に入ってきます。”

 

と述べており、モーダルシフトを実現するためには、低くないハードルがあるといえます。

 

▼環境規制に関して詳しく知りたい方は、以下から資料のダウンロードが可能です。

物流の環境規制の基本 ~荷主に必要なアクションまとめ~

 

その他の抜本的・総合的な対策は「内閣官房」のページから資料を確認することができます。

 

まとめ

本記事では、物流改善の背景、その重要性、具体的な物流改善事例について紹介しました。

物流を改善し、効率と持続可能性を追求することで、企業は競争力を保ち、成長を続けることができます。

 

ぜひ本記事を参考に物流業務の改善に取り組んでみてください。