ブラックボックスだった貿易実務を標準化。業務効率化に留まらず、リードタイム管理で欠品低減を達成した貿易DXの軌跡

株式会社アナナスジャパン 商品部 部長 奥野敦様

株式会社アナナスジャパン様

  • 目的
    ・内製ツールで管理していた貿易業務の標準化・効率化
  • 課題
    ・貿易業務を内製ツールで管理していたが、複数の手法を組み合わせて情報を管理していたため、管理や情報共有、検索にかかるコストが増加
    ・業務拡大に伴い内製ツールの処理が複雑化してバグが発生、運用負荷が増大
    ・手動の情報更新では分析に必要なリアルタイム性や信頼性が不足、リードタイムが把握できずに在庫切れが発生
  • 効果
    ・情報をShippio上に集約したことで、情報共有や検索にかかる工数を大幅削減
    ・輸入状況の進捗管理に必要な情報更新作業をほぼ0まで削減
    ・本船の動静確認など情報更新を自動化、Shippioに集約したデータを分析してリードタイムを可視化することで在庫切れを未然に防ぎ欠品対応コストの削減を実現
  • 食品
  • 在庫適正化
  • 安定輸送
  • 業務効率化
  • 業務標準化
  • 機会損失低減

属人化してブラックボックス状態だった貿易業務を内製ツールで解消し、業務拡大に合わせてより一層の業務標準化・効率化を目的にShippio ForwardingShippio Cargoを導入した株式会社アナナスジャパン様(以下、アナナスジャパン)。

Shippio ForwardingShippio Cargoの併用で業務の標準化・効率化はもちろん、適切なリードタイム管理で在庫切れを抑止し、欠品対応コストの削減やブランドイメージの向上という貿易DXを実現した商品部 部長 奥野敦様にお話を伺いました。

導入サービス

ビジネスモデルと主な業務について

アナナスジャパンは、ヨーロッパで広く普及している冷凍パンを日本に広めることを目的として2002年に創業した企業です。主にヨーロッパから約100種類の冷凍のパンやスイーツを輸入し、卸売企業として国内の問屋やホテル、レストラン、小売業といったお客様にそれらを提供しています。
自社工場を持たないアナナスジャパンでは、ヨーロッパで買い付けた冷凍パンの輸入を担う貿易業務は会社の基幹業務といっても過言ではありません。

アナナスジャパンが輸入している冷凍パンやスイーツ

導入の経緯と課題

属人化による貿易業務のブラックボックス化

私が貿易業務に携わるきっかけになったのは前任者の退職です。引き継ぎ時点では、貿易業務が属人化されていて、正直前任者以外のメンバーでは触りたくても触れない…輸入業務は複数のフォワーダー様にすべてお任せ…というような状態でした。

そこで、まずはブラックボックス状態の業務内容を把握して、各フォワーダー様にお願いする内容を標準化しようと動きはじめました。

株式会社アナナスジャパン 商品部 部長 奥野敦様
株式会社アナナスジャパン 商品部 部長 奥野敦様

お手製のスプレッドシートで管理をはじめたものの…

貿易業務の標準化にあたり、最初は自作のスプレッドシートを使った輸入状況の進捗管理や外資系サービスとチャットツールを組み合わせた貨物のトラッキングをはじめました。
この段階で、貿易業務のブラックボックス解消、フォワーダー様に対する依頼や輸入状況の進捗管理をはじめとする作業の標準化をある程度実現できました。

しかしスプレッドシートはフォワーダー様の手動管理に依存する部分が多く、情報のリアルタイム性が乏しいという課題も浮き彫りになりました。また次の段階として、フォワーダー様ごとに枝分かれしたスプレッドシートや部門ごとに異なる貿易書類の保管など、情報が一元管理できないことに起因する管理や情報共有、検索にかかるコストの負担が新たな課題として見えてきました。

さらに、ビジネス拡大に合わせてフォワーダー様を拡充した際に、スプレッドシートの増加によって内製ツールがバグを起こしたことで、日々の業務負担が増加するといった事象も発生。同時期にチームの増員や担当業務が増えたこともあって、内製ツールでの対応を見直すことにしました。

導入の決め手

商品調達業務の効率化

既に一定の業務標準化は達成していましたが、さらなる標準化と作業工数の削減を目的にソリューション導入の検討をはじめました。
以前から国際貿易に関する情報収集を目的にShippioのウェビナーに参加していたこともあり、「有益な情報を積極的に提供している勢いのある企業」としてサービスの検討以前からShippioには興味を持っていました。

そんな中で国際物流展で実際にShippio ForwardingShippio Cargo、それらの基盤となるShippio Platformの説明を受け、これまで複数の手法を駆使して内製ツールで対応していた集荷・出港・入港・通関・納品までの進捗管理と貨物のトラッキングをひとつのコンソールに集約・可視化・管理できると知り、大きな魅力を感じました。
似たような機能を持つ海外サービスも検討したものの、社内への情報共有を考えて「日本語対応ができる」という点でShippioを選択しています。

情報の集約という面では、PO単位(オーダー単位)で輸入に関する書類や通関書類、許可証などを管理できるというのも非常に魅力的でした。従来は輸入業務の各工程を担当する部門がそれぞれ自分の業務に必要な書類を独自の管理場所や管理手法で管理しており、書類の検索や共有に工数がかかっていたので、これを解消できると考えました。。

導入のプロセス

内製ツールからの乗り換えもスムーズに完了

内製ツールからShippioプラットフォームへの切り替えですが、大きな問題は起きませんでした。
取引のあるフォワーダー様や、貿易業務とは直接関係ない社内メンバー用にゲストアカウントも発行していますが、そちらも特に問題は生じていません。

導入後の効果

情報集約と業務の標準化で貿易業務にかかる工数を削減

今まで内製ツールで管理してきた貿易業務をShippioに切り替えたことで、

  • 動静確認の自動化をはじめとする情報の確認・更新作業の削減
  • 進捗状況や貿易書類などの検索性向上によるコミュニケーションコストの削減
  • AI-OCRを利用した貿易書類の自動照合による作業工数の削減

を実現しています。

フォワーダー様の協力ありきではありますが、最低限の案件情報をShippioのプラットフォーム上に登録することで、これまで手動で対応していた動静確認や確認状況の反映作業が自動化されました。
これまでフォワーダー様の手動更新に依存していた輸送情報が、更新や確認の手間をかけることなくリアルタイムに情報を入手できるようになりました。

さらに従来は複数のスプレッドシートやツールを跨いで確認していた輸入までのタイムラインも、Shippioのコンソール上で一目でスムーズに確認できるようになっています。
ShippioのUIは貿易業務の経験を問わず誰が見てもわかりやすいので、社内メンバー向けに共有のゲストアカウントを発行して、貨物の輸入状況を自由に確認できるようにしています。この対応によって「あの商品、いまどこですか?」というコミュニケーションコストも削減できています。

また検索性の向上という面では、Shippioo上にPO単位(案件単位)で貿易書類が集約されたことで、書類検索や確認にかかる手間の大幅削減も実現しています。
社内向け以外に通関業者様やフォワーダー様といった社外の関係者にもゲストアカウントを発行しているため、書類が必要になっても社内の共有フォルダからデータを探してPDFをメールで送る…などの手間は発生しません。Shippio Cargo上で案件情報を開くだけで必要なファイルを確認できます。些細なことに見えますが、積み重なると大きな工数削減に繋がります。

書類のやりとりに限らず、Shippioの導入によって社内・通関業者様・フォワーダー様という関係者全員が案件単位で輸入の進捗状況を共有できているので、何か問題が起きても社内外を問わず全員で対応できる状態が築けています。

Shippio利用イメージ ※Shippioのデモ環境をベースに作成

AI-OCRを利用した貿易書類の自動照合も、担当メンバーが機能を使い倒していて、照合作業にかかる工数を最大で約50%まで削減しています。
照合作業に関しては、数値以上に「心理的な負担」の軽減という効果も感じています。
照合作業はメーカーごとに異なる書類フォーマットに対応することが現場の大きなストレス源でしたが、AI-OCRがどんなフォーマットでも内容を読み取り、決まったレイアウトにアウトプットすることで作業が標準化され、迷うことなくスムーズに作業を進められるようになりました。

AIインボイス照合の画面イメージ

AIインボイス照合機能を使った照合結果の確認イメージ ※Shippioのデモ環境をベースに作成

リードタイム管理で欠品低減を実現

貿易業務がブラックボックスだった頃は、商品のリードタイムが正確に把握できておらず、年に数回ですが欠品が発生していました。
アナナスジャパンでは欠品が生じた場合は、お客様向けにお詫びのレターを用意して営業担当者が個別にご連絡する、さらに商品入荷後には欠品分の送料を弊社が負担したうえで欠品してしまった商品をお届けするという対応をしています。数百社のお客様に対してこうした対応が必要になるため、大変多くの時間や費用が必要です。さらに欠品によってブランドイメージの低下や販売機会の損失など、ビジネス拡大にも大きな影響を与えかねません。

Shippioの導入によって、貿易業務を標準化し、情報のリアルタイム性・信頼性が担保されたことで、リードタイムの管理・分析が可能になりました。今はShippioの管理画面を確認するだけで、最新の情報をもとに現地サプライヤーのクリスマス休暇や季節性などの情報も踏まえたPOL(積地港)から POD(揚地港)に必要なリードタイムを正しく把握でき、発注時点で余裕を持った輸送計画を立てることができています。
結果として以前は年に数回発生していた欠品対応を大幅に削減します。

蓄積した情報を元にフォワーディング状況も分析

Shippioのプラットフォーム上に情報を集約・蓄積できる体制が整ったことで、フォワーダー様ごとの輸送日数や輸送費用、為替レートといった情報も正確に把握できるようになりました。
こうした情報を整理して、半年に1回のペースで各フォワーダー様に分析結果をフィードバックしつつ、客観的にフォワーディングの在り方を見直しています。
フォワーダー様あってのビジネスですが、できるだけ対等な関係でビジネスを進めていけると良いなと考えています。

今後の活用について

今後もShippioでの一元管理を継続したい

貿易業務に関しては今後もShippio FowardingShippio Cargoを併用しつつ、一元管理する体制を続けていきたいと思っています。
そのうえで、Shippio以外の国際貿易に関連するシステムとの連携という部分がより強化されていくと嬉しいなと思っています。

あとはサービスからは離れますが、今後もこれまでと変わらずに積極的な情報発信を続けていただけると嬉しいです。Shippioから発信される情報を社内にも展開して活用していければと考えています。
またウェビナーに限らず、似たような業種や同じような規模感の企業で貿易業務に携わる方々と情報交換できる場というのをShippioが軸になって用意いただけると嬉しいです。

株式会社アナナスジャパン 商品部 部長 奥野敦様


Shippioでは国際物流の可視化を実現し、情報共有機能や、貿易書類・請求書管理、納期調整を一元管理できるクラウドサービスを提供し、貿易業務の可視化・効率化をサポートしております。
貿易業務で人手が不足している、現状のやり方ではDXが進まないなどのお悩みがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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