―ビジネスモデルと主な業務について教えてください
CALL&RESPONSEは福岡発のメンズアパレルブランドです。九州を中心に全国33店舗(2025年6月時点)展開し、店舗をメインに売上を上げています。今後はECの売上をもっと伸ばしていきたいと考えており、デザイナーやスタッフを増やしつつ準備を進めています。
我々の普段の業務は、企画とデザインが中心です。具体的には「商品の企画」「海外工場への縫製指示」「付属品の手配」など、いわゆるモノづくりの工程をすべて二人で担当しています。
シーズンごとに100を超える型を用意し、さらに各型にカラーバリエーションがあるので、各シーズンで500を超える商品を動かすこともあります。
CALL&RESPONSEの場合は「企画担当=貿易実務担当」でもあって、自分たちが考えた商品が店頭に並ぶまで一貫して携わります。これは海外生産が多いアパレル企業で多いのですが、デザインのみでは終わらず、輸送や通関の手配まで自分たちで行います。そこが結構大変な部分でもあります。
物流業務がデザイナーの負担に
―導入の経緯と課題
実はここ最近、生産数が急激に増加しているという状況です。型数は同じぐらいでも、1型あたりの生産枚数が増えるので輸入量も倍増します。店舗数や売上が伸びているタイミングなのですが、その分物流コストや貿易業務の負担も大きくなる一方でした。
特に気になっていたのが「コスト削減」と「業務効率」の両立です。売上が上がっても、輸送や通関費用などがかさむと利益があまり残らないのが問題です。
また、アパレル事業では季節性がとても重要で、台風など物流上の問題が発生すると顧客対応や商品再手配のコストがかかるうえ、売上減少や在庫増加のリスクが大きくなります。
さらに荷物の到着が遅れれば追加の保管料も必要になり、無駄なコストがかさんでしまいます。
貿易業務の負担という観点で言えば、商品点数も多いので、請求書の確認や書類のやり取りが増えて、企画の時間が割かれてしまう。特にCALL&RESPONSEはデザイナー自身が貿易業務も兼任しているため、貿易の手続きに関する負担を最小限に減らして商品の企画・デザインに集中したいという考えもありました。
このような背景から「なにか変える必要がある!」と思い、いろいろなフォワーダーに相談していました。しかしコンテナや輸送を一括で依頼できるフォワーダーさんがなかなか見つからず根本的な解決には至っていませんでした。
そんなときに展示会でShippioのブースを見かけて、「あれ、ここ面白そうだぞ」と吸い込まれるように足を運んだのが最初の接点でした。
デザイナーの悩みを完全に解決するShippioのサービス
―導入の決め手
導入を決めた理由は大きく3つあって、1つ目はコスト面です。通関費用など大きく変わらない項目もあるのですが、過剰運賃や国内のトラック輸送費が下がりそうだという見積もりをもらえて、しかも交渉もしやすかったという印象です。物流コストが下がれば、これから店舗数や生産量が増えても利益率を維持できる見通しです。
2つ目は、スピード感と分かりやすさです。見積もりをお願いしたときの対応が早くて、「Shippioならストレスなく任せられそう」と思えました。展示会でお話しした方や、ブースの印象も良かったし、導入までのコミュニケーションも迅速で、社内決裁もスムーズに進みました。
3つ目は、通関業者さんとフォワーダーさんが別々だと起こりがちな「書類の多重チェック」や「連絡の行き違い」を一括で解消するだけでなく、更にシステム上で案件ごとにチャット/ファイルをやり取りした履歴がまとまっているところです。私たちの悩みをすべて解決してくれるサービスがShippio Forwardingでした。
メール・電話の往復をシステムで代替
無駄な時間をなくしてストレスフリーの貿易業務へ
―Shippio Forwardingをどのような用途で利用していますか
主な用途は、輸送から通関、倉庫への連絡までを一元管理するために使っています。
私たちの場合、海外の工場とやり取りして完成した商品を輸入するとき、これまでは
- 中国側で発行されるB/Lをフォワーダーに送る
- フォワーダーから送られてくるアライバルノーティスを通関業者に転送する
- 複数に分かれる請求書や書類を全部チェックする
- 倉庫へ連絡し、トラック手配の段取りを伝える
といった形で、メールと電話を何度も行き来させながら、いろんなステップを繰り返していました。
でもShippio Forwardingを使うようになってからは「システム上に必要なデータや書類がすべてまとまっている」ので、ファイル確認やアップロードも一括で行うことができています。何か確認したいときも、メールを探す手間なく、システム内で最新バージョンの書類がすぐ見られる。書類不備をチェックして電話で問い合わせ…といった時間が激減しました。
倉庫への連絡も、ほぼ自動的に進めてもらえるので、こちらから細かくメールを送る必要がほぼなくなったのは本当にありがたいです。
―導入後の効果は?
Shippio Forwardingを使って、80%以上の貿易業務が削減できました。メールや電話の待ち時間がなくなったのがとにかく大きいです。以前は「担当者が不在で折り返し待ち」「メールを送ったけど返事が来ないので再度電話」みたいな“待機コスト”が一番のストレスでした。
それがShippio Forwardingなら、チャット形式でやり取りができて、担当者が変わってもシステム上で情報が共有される。書類の流れも一元管理だから、チェックミスや二重確認が格段に減りました。
結果的に、その浮いた時間を本業の企画やデザインに回せるようになりました。アパレルは特に「商品を店頭に並べるタイミング」がすごく重要で、1週間遅れるだけで売上に大きく響きます。Shippio Forwardingのおかげで、納期管理の手間もストレスも減り、納品遅れのリスクもぐっと下がりました。
それ以外にも、経理部門がシステムに直接アクセスできるようにしたことで、業務の効率化と安心感が大きく向上しました。
これまでは「請求書が郵送で届く→企画部門が金額を確認→経理部門に渡す」というフローで処理しており、部門間のやり取りや確認作業に手間と時間がかかっていました。しかし現在は、企画と経理の両部門がシステム上で同時に請求内容を確認・保存できるため、フロー全体がスムーズになり、確認作業にかかる負担も大幅に軽減されています。
確認作業の手間が大幅に削減されたほか、情報の伝達漏れや転記ミスといった人的ミスも防止されています。こうしたミスにすぐに気づけるようになったことで、正確性が増し、業務全体への信頼感も高まりました。
―今後の活用について
今後はECを拡張していきたいので、商品もさらに増える見通しです。そのうえで、貿易実務の効率化はますます重要になっていきます。Shippio Forwardingは、まだ使い始めてそれほど経っていないのに「ここまで簡単になるんだ」と驚いているところです。
アパレルは季節商材なので、台風の時期や検査で遅延が起きる可能性など、イレギュラー対応がどうしても発生します。そういうときも、システムで動向を一目で把握して、倉庫や店頭への連絡を素早くできれば、最悪の事態を防ぎやすくなります。もし出荷スケジュールが遅れそうなら、こちらも工場に生産を少し前倒しできるか相談したり、販売計画を組み直したりしやすくなるためです。
これからは属人化を防いで、誰でもシステムを見れば状況が分かる環境を整えたいです。そうすれば新しく入るスタッフもすぐに業務に馴染めるし、企画の時間をもっと増やせる。店舗拡大やEC強化のためにも、Shippioとの連携をさらに深めて、物流コストや納期管理の面で引き続きサポートしてもらおうと思っています。
アパレル企業ならではの貿易実務の悩みを解決するうえで、Shippioさんには本当に助けられました。商品をいつ店頭に並べるかが売上を左右する世界なので、迅速かつ正確な物流管理が肝となっています。今後も一緒にさらなる効率化を追求していきたいです。
(左)CALL&RESPONSE株式会社 企画生産管理部 デザイナー 池永 祥輝様
(右)CALL&RESPONSE株式会社 企画生産管理部 デザイナー 境 寿代様
Shippioでは国際物流の可視化を実現し、情報共有機能や、貿易書類・請求書管理、納期調整を一元管理できるクラウドサービスを提供し、貿易業務の可視化・効率化をサポートしております。
貿易業務で人手が不足している、現状のやり方ではDXが進まないなどのお悩みがございましたら、お気軽にお問い合わせください。