導入事例

「Partner Connect」による時差タイムロス削減と海外事業拡大。本船動静の可視化により、サプライチェーン最適運用を実現。

株式会社前田製作所様

 

 

  • 目的

    ・貿易業務を営業課から新設の業務課へ移管する引継ぎのタイミングでクラウドサービス導入を検討
    ・貿易業務効率化と標準化を図りたい

  • 課題

    ・営業が兼任で行っていたため、貿易業務が属人化
    ・近年の海外販売ボリューム増加とアメリカ現地法人設立に伴い、貿易業務が煩雑に
    ・北米向け案件が多いため、船足が長くリードタイムが読みづらい

  • 効果

    ・「Any Cargo」で動静確認作業と書類格納がワンプラットフォームで実現
    ・輸出の出荷手配から発注・出荷の最適化までアメリカ現地法人との連携がスムーズに
    ・貿易書類の保存・管理、やり取りや動静確認など、作業工数を50%以上削減

  • 機械
  • 業務標準化

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社是である「誠実」「意欲」「技術」のもと、進化し続けるマエダブランド製品を国内外に提供。

―ビジネスモデルと業務について教えてください

当社は1962年に設立されて以来、建設機械、産業機械、鉄構製品の製造、販売、サービス、レンタル事業を展開しています。国内でトップクラスの建設機械メーカーであるコマツの長野県、山梨県、愛知県、三重県における総販売代理店として事業展開する「建設機械本部」、「かにクレーン」や「クローラクレーン」を代表とするマエダブランド製品の開発、製造から国内外での販売までを手がける「産業機械本部」、当社すべての設計・開発を担う「技術本部」の三本柱で組織されています。

私たちの所属する産業機械本部海外事業部は、業務課と海外営業課を合わせた10名のチームで構成されており、主に「かにクレーン」と「クローラクレーン」の輸出販売を世界各国へ行っています。この輸出はコンテナ船とRORO船を利用して行われています。現在の売り上げ比率は国内6:海外4ですが、2023年にはコロナ禍を乗り越えて海外部門が過去最高の売り上げを記録しました。これまでの販売実績は55ヵ国に上ります。

2021年まではヨーロッパが主な市場でしたが、過去2年間ではアメリカ、オセアニア、アジアへの輸出台数が増加しています。現地販売店は各国に60社あり、2022年には現地法人「Maeda America」を設立し、さらなる海外輸出の販売促進に取り組んでいます。

 

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営業が兼任で行っていたため、貿易業務が属人化。全案件の一元管理を行い、海外事業拡大と業務標準化が急務に。

―導入時の背景と課題について教えてください

当社の海外事業部では、もともと営業メンバーが貿易実務も兼任していましたが、近年の海外販売ボリューム増加に伴い、本来の営業活動と貿易業務の両立が困難な状況に陥りました。特にアメリカ市場では、2022年4月に現地法人Maeda Americaの設立以降、輸出台数が急増しました。さらにCIF条件(※1)の採用により、より貿易業務の煩雑化が進みました。業者からの見積り取得、工場からの出荷手配、バンプランの確認、ブッキング、工場からの出荷、船積み資料の作成、本船の動静確認、現地とのやり取りなど、貿易業務は多岐に渡ります。これらの業務を長期海外出張を伴う営業活動と並行して行うことは困難と判断しました。そのため、海外事業部内に新たな業務課を設置し、営業から貿易業務を移管するプロジェクトが開始されました。

ここでまず問題になったのが、貿易業務の属人化でした。営業担当ごとに出荷製品の管理、ブッキング、書類作成、業者とのやり取りの方法が異なり、担当者以外は進捗状況が把握できませんでした。この状況では、業務課へのスムーズな引継ぎが困難です。さらに、北米向け案件が多いため、船足が長くリードタイムが読みづらい点も課題となっていました。このため、貿易業務の可視化と関係者間での情報共有・一元管理が可能なシステムの構築が急務だと判断しました。効率化と標準化を実現するツールの必要性を痛感し、実現可能なシステムの導入を目指してプロジェクトを開始しました。

※1 CIF条件:Cost, Insurance, and Freight(運賃・保険料込み価格)の略で、売主が運賃と保険料を負担し、貨物を指定港まで運ぶ貿易条件のこと

 

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海外営業課 山本様

 

リアルタイムで更新される情報や資料をワンプラットフォームで。「Any Cargo」で貿易業務を一元管理。

―Shippioの「Any Cargo」を選んだ理由を教えてください

システム選定の過程で、最初は別のクラウドサービスを試す機会がありましたが、一部工程でメール作業が発生したり、管理画面が見づらかったりと、私たちの期待に沿わないものでした。その後、「Shippio」と出会い使用してみると、その見やすさと使いやすさに驚きました。Shippioでは各アイテムが整理されており、進捗の確認がスムーズで、操作にストレスを感じませんでした。さらに、案件ごとにチャットができ、メールでの検索作業が不要になりました。ファイルデータの格納機能も優れており、関係者全員との資料共有がリアルタイムで簡単に行え、送付忘れの心配もありません。

営業課と貿易業務の移管先である業務課の双方で検討を進めた結果、Shippioを採用することにしました。Shippioには、必要書類をカテゴリーごとにアップロードできる機能があり、貿易業務の初心者であっても迷わずに利用できます。また、案件ごとに必要な資料が一目でわかるので、引き継ぎ作業も容易です。Shippioの使いやすさは、貿易業務未経験者にとっても魅力的で、最初はアメリカ地域に限定のスモールスタートから導入することを決定しました。

導入時に、費用面が少し問題となりました。当初、私たちはデジタルフォワーディングの活用に限定してShippioをトライアルしました。しかし、他社フォワーディング案件もShippioで一元管理できれば便利だと考え、「Any Cargo」を選択しました。確かに「Any Cargo」の導入には一定のコストがかかりますが、そのコストは得られるメリットに比べれば十分に上回ると感じ「Any Cargo」のシステム採用を推進させ、現在に至っています。

 

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「Partner Connect」でコミュニケーション工数が大幅削減。外部業者協力によりRORO船管理が実現、国際物流上の全案件が可視化!

―Shippioの「Any Cargo」をどのような用途で利用していますか?

2023年4月から、アメリカエリアの貿易業務に「Any Cargo」をスモールスタートで導入しました。システム導入に合わせて引継ぎを行い、スムーズに業務課へ貿易業務を移管することができました。

「Any Cargo」の主な用途は、「Partner Connect(パートナーコネクト)」を利用した外部業者(通関や梱包業者など)との連携、RORO船の管理、および現地法人とのコミュニケーションです。関係者全員とコミュニケーション、ファイル共有が可能なため、必要な情報へのアクセスが自由になり、業者への確認が不要になるなど、連携スムーズに行えるようになりました。

また自動トラッキング機能は、クラウドサービス上で貨物の動静を簡単に確認できるようにするもので、これが特に便利です。RORO船は自動トラッキング機能の範囲外ですが、外部業者と協力してコンテナ船と同様の管理を行うことで、国際物流上の全業務とデータを「Any Cargo」で一元管理することが可能になりました。これにより、全案件が可視化され、輸送ステータスも明確になり、劇的な業務効率化が実現しました。

 

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「Any Cargo」で動静確認作業の省略と書類の集約が一本化。時差によるコミュニケーションロスがなくなり作業工数50%以上削減へ。

―導入後の効果は?

使用開始から間もなく1年が経ちます。「Any Cargo」導入後の一番の成果としては、アメリカの現地法人とスムーズに連携が取れるようになり、時差によるコミュニケーションロスが大幅に削減されたことです。導入前は現地法人→当社→業者→当社→現地法人…と莫大な工数と時間を費やしていました。特に、時差の関係で、一つの確認作業でも多くの時間を要することが多く、相手のメール返信を待っている間に案件が停滞し、業務効率が極めて悪い状態でした。「Any Cargo」を導入した現在では、クラウドサービス上のマイルストーンを見るだけでほぼ解決します。

書類の受け渡しも「Any Cargo」に集約されたことで大幅にスムーズになりました。現在では、アメリカの現地法人もすっかり操作に慣れており、当社がクラウド上に最終書類を格納するだけで、現地法人は連絡を待たずに書類をダウンロードし、通関業者に受け渡しまで自動的に進めることができるようになりました。貿易書類の保存・管理、書類のやり取りや動静確認といった工程面では、50%以上の時間を削減できていると実感しています。メールでのスケジュール確認や書類のやり取りに関する見返し・抜け漏れの確認、時差で生じる待ち時間等の心理的ストレスが解消されたことも大きな成果です。業務の可視化、書類・動静等の情報共有工数の削減、スムーズな引継ぎなど、当初改善したいと考えていた課題はほぼ改善できたと思います。

サプライチェーン運用の効率化を実現する「Any Cargo」は、輸出業務を新たに開始し、まだ業務フローが確立されていない企業や、貿易実務を本業と兼務している担当者のいる企業に特にお勧めします。特に、時差の影響を受ける海外の現地法人との連携において、「Any Cargo」は大きなメリットをもたらすと考えます。

 

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業務課 サーウィンスキー様

 

今後はヨーロッパやアジアでも「Any Cargo」導入を検討。「Partner Connect」の活用で業務標準化のグローバル展開を目指したい。

―今後の活用とShippioへの期待を教えてください

今後の計画として、まずはアメリカにおいて「Partner Connect」機能の最大限の活用を推進し、業務効率化と標準化をさらに進めたいと考えています。加えて、「Any Cargo」の利用範囲をヨーロッパやアジア向けの出荷案件にも広げることを検討しています。

物流業界は、コロナ禍やスエズ運河の問題など、突発的または長期的な問題に直面しており、タイムリーな情報収集が不可欠です。有事の際、Shippioのクラウドサービスを通じて最新情報を迅速に発信すること、または情報のハブとして活用することができれば、これまで以上に業務効率化に多いに役立つと考えています。さまざまな業者とのつながりを持つShippioさんであれば、実現可能であると期待しています。

 

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Shippioでは国際物流の可視化を実現し、情報共有機能や、貿易書類・請求書管理、納期調整を一元管理できるクラウドサービスを提供し、貿易業務の可視化・効率化をサポートしております。
貿易業務で人手が不足している、現状のやり方ではDXが進まないなどのお悩みがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

 

 

 

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