―ビジネスモデルと主な業務について教えてください
当社は部品・原材料(コイル材・樹脂コンパウンド)から最終製品の組み込みまで一気通貫で管理しているメーカーです。当社で取り扱う品目の中には中国の協力工場で生産している部品や製品もあります。
私は2018年に前任者から輸入実務を引き継ぎ、現地で発行されるインボイス/BL/パッキングリストの回収、船積みスケジュールの確定と変更調整、国内フォワーダー・倉庫との通関および搬入手配を担当してきました。
運賃ブラックボックスと属人化が重荷だった導入前の課題
―導入の経緯と課題
導入前の最大の悩みは、輸送費のブラックボックス化でした。
FOB条件であるものの、実際の手配は現地取引先任せにしていたため、LCL運賃や現地諸掛が実際にいくら上乗せされているのか把握できず、原価の妥当性を評価する術がありませんでした。
さらに、私ひとりで輸入実務を回していたため属人化リスクが大きく、船の遅延や書類不足が起こるたびに中国工場、現地フォワーダー、国内フォワーダー、社内営業へ個別連絡する負担が重くのしかかっていました。
メールと電話は多い日で一日に数十件、紙書類の検索にも時間を取られていたため、本来注力すべき購買業務に集中できない状況だったのです。
展示会で実感した運賃の大幅削減が導入を後押し
―導入の決め手
転機は東京の展示会でShippioのブースを訪れたことです。
その場で提示された上海便のLCL見積もりが従来比で大幅に削減できると分かり、運賃構造を一目で可視化できる点に強い衝撃を受けました。
さらにEX Works条件に切り替えてShippio Forwardingが現地集荷を担えば、運賃だけでなく現地手配の進捗までも透明化できると分かり、「費用の見える化」と「手配プロセスの見える化」を同時に実現できる仕組みが決定打になりました。
社内への説明では「属人化リスクの軽減」と「原価低減効果」をセットで提示し、経営層と現場の双方から納得を得られたことで導入がスムーズに決まりました。
ナカ工業株式会社 生産企画管理部 生産管理課 管理係 係長 村田ふみ様
EX Works運用とチャット共有で工場から倉庫まで一元管理
―Shippio Forwardingをどのような用途で利用していますか
現在はEX Works条件でShippio Forwardingに一貫手配を依頼し、案件ごとのチャットに工場担当者を招待しています。インボイスやBLはチャットにアップロードされ、ETD/ETAや通関状況がタイムラインで更新されるため、工場担当者から「いつ届くのか」という問い合わせはほぼゼロになりました。
運賃と諸掛も案件ごとに明細表示されるので工場側も正確な輸送費を把握でき、コスト意識が社内外で共有されています。すべての書類が電子化されたことで書類の保管スペースが不要になりました。
LCL費用大幅減と連絡工数削減で購買・原価管理に集中
―導入後の効果は?
Shippio導入の成果として、輸入業務の効率化とコストの透明化が挙げられます。
これにより、日常業務を後任にスムーズに引き継ぎ、現在は集中購買品の価格交渉、原価管理、商社との契約更新といった上流の購買マネジメントに注力できています。
LCL輸送費は大きく削減でき、原価の内訳が明確になったことで、工場や購買部門全体のコスト意識が大幅に向上しました。輸送費の詳細が可視化されたため、値上げ交渉にも根拠を持って対応できています。
また、チャットでの情報共有により、進捗確認や書類催促のメール・電話が激減し、購買交渉や原価分析に集中する時間を確保できるようになりました。書類の電子保管は検索性を飛躍的に向上させ、業務の属人化リスクを低減し、引き継ぎも円滑に進んでいます。
さらに、「言った・言わない」の認識齟齬が解消されたことで、社内外のコミュニケーションストレスも大幅に軽減されました。
履歴活用と書類管理強化でスポット輸入と監査対応を迅速化
―今後の活用について
今後は、Shippioに蓄積される案件データを活用し、過去の輸入履歴とHSコードを社内でいつでも参照できる運用へ発展させる予定です。
これにより、部品を単品でスポット輸入する際でも、以前どの税番で通関したかを即座に確認できるようになり、税率や関税額の見当をつけたうえでフォワーダーと調整できる体制を目指します。
また、インボイスやB/Lなどの書類をShippio上で体系的に検索・管理し、電帳法対応や監査の際に必要書類を迅速に提示できるようにすることで、購買部門全体の業務スピードとガバナンスをさらに高めていきたいと考えています。
Shippioでは国際物流の可視化を実現し、情報共有機能や、貿易書類・請求書管理、納期調整を一元管理できるクラウドサービスを提供し、貿易業務の可視化・効率化をサポートしております。
貿易業務で人手が不足している、現状のやり方ではDXが進まないなどのお悩みがございましたら、お気軽にお問い合わせください。