「壮大なExcelリスト」からの卒業。日本光電が、導入半年で月間300時間以上の工数削減を実現したSCM改革。

日本光電工業株式会社様

  • 目的
    ・年間数千行に及ぶ手入力のExcel管理と頻繁なメールのやり取り(伝言ゲーム)の解消
    ・グローバルSCM(サプライチェーンマネジメント)の可視化による在庫の適正化と物流コストの最適化
    ・現場主導のプロジェクトでベテラン社員を含めた組織全体を意識変革
  • 課題
    ・数十種類の書類、数十箇所の保存先を目視で確認し、手入力で管理する「壮大なExcelリスト」への依存
    ・海外現地法人からの問い合わせに対し、最低数往復のメールのやり取りが発生する情報のブラックボックス化
    ・従前の業務フローに慣れたベテラン社員の「なぜ変えるのか」という不安や抵抗
  • 効果
    ・情報の一元化により「壮大なExcelリスト」から卒業し、月間300時間以上の工数削減を半年で達成
    ・海外現地法人が配送状況を直接確認できるようになり、メールのやり取りが激減
    ・工数削減で自発的に新たな改善や課題解決を提案できる自律的な組織に変化
  • 医用電子機器
  • 業務効率化
生体情報モニタ

脳波計
AED(自動体外式除細動器)

ビジネスモデルと主な業務について

日本光電は、医用電子機器の専業メーカーです。1951年の創業以来、「病魔の克服と健康増進に先端技術で貢献すると共に社員の豊かな生活を創造する」という経営理念をもとに、主力製品である生体情報モニタや脳波計、AED(自動体外式除細動器)等を開発・製造・販売しています。

医療機器に加え、SpO2/CO2 センサ、心電図電極、バッテリや試薬など特殊な管理が求められる消耗品も多く、これらを世界120カ国以上の医療現場に安定して届ける必要があります。

現在、長期ビジョン「BEACON 2030」のもとグローバル展開を加速させていますが、その実現において、グローバルサプライチェーンマネジメント(GSCM)の強化は最重要課題の一つでした。しかし、かつての私たちの現場は、理想とは程遠い状態にありました。2024年に事業部ごとに分断されていた組織を「SCM統括部」に統合しましたが、組織が大きくなったことで、逆に「見えないコスト」や「業務のブラックボックス化」が課題となっていました。

生産本部生産技術統括部長兼 SCM 統括副統括部長 八下田様

導入の経緯と課題

終わらない「伝言ゲーム」と「壮大なExcelリスト」

最大の課題は、輸出業務における情報の分断と属人化でした。 コロナ禍を経て物流の混乱が続く中、海外現地法人からは「あの荷物は今どこにあるのか?」という問い合わせが殺到していました。1つの問い合わせに対し、最低でも数往復、多ければ2桁のメールが飛び交う「伝言ゲーム」が常態化していました。

また、年間数千行にも及ぶ「壮大なExcelリスト」を手入力で管理していました。数十種類の書類やデータを数十箇所に保存。それらの情報を目視で確認し、手作業で入力する工程は、業務遂行上の生命線であった一方で、担当者に大きな負荷をかける要因となっていました。

私たちには豊富なITリソースがあるわけではありません。限られたリソースの中で、いかに効率化し、在庫の適正化(PSI:Production, Sales, Inventory 改革)を進めるかが急務でした。

SCMのブラックボックス化と困難な計画立案

国際物流がブラックボックス化していたことで、今どのくらいの在庫が洋上にあるかを正確に把握できず、グローバル全体での適切な在庫管理や計画立案が困難な状況でした。

このため、コストの最適化も困難な状況にありました。本来であれば、製品特性や地域ごとに最適な輸送ルート(海上輸送/航空輸送)を選択すべきですが、判断材料となるデータを入手できず、現状の輸送方法が最適か検証さえできない状況が続いていました。

導入の決め手

求めていたのは「トラッキング」だけではない、「業務の実装」

解決策を模索する中で、複数のサービスを検討しました。情報収集する中で、私たちのニーズに一番合致したのが「Shippio Cargo」でした。

私たちは物流の動静確認だけをしたかったのではなく、「物流業務の効率化」を実現したかったのです。当時、「SCM革新プロジェクト」を進める中で、Shippioが掲げるビジョンや目指す方向性が、日本光電のプロジェクトと深く一致していたことも、大きな決め手となりました。
Shippioは貿易実務の現場を深く理解しており、「Shippio Cargo」は私たちの課題である「工数削減」と「情報の可視化」にダイレクトに効くソリューションでした。また、日本発のサービスとして、私たちの細かな要望や開発要求に対し、伴走してくれる安心感も大きな決め手となりました。

導入のプロセス

現場の「抵抗」を「当事者意識」に変える

導入にあたり最も懸念したのは、長年慣れ親しんだ業務フローが変わることです。ベテラン社員から「今のやり方で回っているのに、なぜ変える必要があるのか」という声も少なからずありました。

そこで私たちは、トップダウンで進めるのではなく、現場主導によるプロジェクトチームを立ち上げました。プロジェクト推進にあたり、各チームからリーダーを選抜し、自分たちで「As Is(現状)」と「To Be(あるべき姿)」を描くプロセスを徹底しました。「システムを導入すること」ではなく、「自分たちの業務を効率化すること」を目的に据えたことで、次第に現場の意識は「不安」から「期待」に変わっていきました。

SCM 統括部海外業務部長 轡田様

導入後の効果

導入半年で「月間300時間以上」の工数削減。問い合わせ対応からの解放

効果は導入当初から実感でき、導入から半年で部内にて月間で300時間以上の工数削減を実現することが出来ました。また、利用者アンケートの結果、海外現地法人やパートナー企業においても、業務効率化やコミュニケーションの向上を実感頂いていることが確認できました。

部門別の削減時間

  • 輸出実務(SCM統括部): 約314時間削減
  • 海外現地法人(Consignee)(18 回答/11 社): 合計 約120時間削減
  • パートナー企業(Forwarderなど)(14 回答/8 社): 合計 約68.5時間削減

最大の成果は、「壮大なExcelリスト」からの卒業です。「Shippio Cargo」を見れば最新情報がわかるため、海外からの問い合わせメールが激減しました。これまでメール対応やリスト更新に追われていた時間を、本来やるべき「改善活動」や「チームビルディング」に充てられるようになりました。残業時間も目に見えて減り、担当者には「次はここを改善しよう」という前向きな空気が生まれています。

SCM 統括部海外業務部業務推進課長 絹巻様

今後の活用について

物流コストの「可視化」で、攻めのSCMへ

効率化という守りの基盤は整いました。次は「攻め」のフェーズです。 具体的には、「Shippio Cargo」に蓄積されたデータを活用し、製品単位での物流コストを可視化(Spend Management)することを目指しています。

現在は航空輸送に偏りがちな輸送方法を、コスト効率の良い海上輸送に変更するための明確な根拠や、米国東海岸向けの最適ルートの選定など、経営判断に直結する戦略的なロジスティクスを構築していきます。可視化されたデータを武器に、経営判断の精度を高め、より強固なサプライチェーンを構築していきます。

日本光電 総合技術開発センタ(埼玉県 所沢市)にて
上部写真左から
SCM 統括部 村山様、八下田様、白坂様、絹巻様、鶴見様、轡田様



Shippioでは国際物流の可視化を実現し、情報共有機能や、貿易書類・請求書管理、納期調整を一元管理できるクラウドサービスを提供し、貿易業務の可視化・効率化をサポートしております。
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