―ビジネスモデルと主な業務について教えてください
私たちはお客様の生活を彩るスマートフォンアクセサリーの企画・販売を主力事業としています。
年商65億円を26名という少数精鋭で達成している背景には、中国工場との直接取引による圧倒的なスピードとコスト競争力、そして大手量販店との強固なリレーションシップがあります。常に市場の最先端を走り続けるため、企画から生産、そしてお客様の手元に届けるまでのサプライチェーン全体の効率化を目指しています。
スマホ関連製品は流行の移り変わりが激しく、サプライチェーンの感覚としては生鮮食品やアパレルに近いものがあります。主な販売先である大手量販店では事前に棚を確保しているため、決められた納期に製品が届かなければ機会損失に直結します。この高レベルなスピード感とコスト競争力の両立が、私たちのビジネスの根幹です。
航空便から船便へ。事業成長がもたらした、新たな物流の壁
―導入の経緯と課題
以前は国際物流の手段は、航空便が中心でした。しかしコロナ禍で航空便の利用が困難になったこと、そしてここ2〜3年で物量が約3倍に急増したことを受け、コスト面と安定性の観点から船便への切り替えを決断しました。
ただ、この切り替えは新たな課題を生み出しました。
物量の急増により業務量が増え、オペレーションの負荷が大幅に上昇し、繁忙期には生産遅延の連絡やインボイスの修正、トラックの手配など週末でも電話対応が必要な状況でした。少数精鋭で高い生産性を維持する私たちにとって、この非効率なコミュニケーションは、事業成長のボトルネックとなり得る深刻な課題でした。
代表取締役 山本 洋平様
「これならお客様も使いこなせる」と直感したUIと、デジタルの思想
―導入の決め手
電話やFAXに頼らない、デジタルネイティブな働き方を志向していた私たちは、この新たな課題を解決するソリューションを探し始めました。数あるサービスの中でShippioを選んだ決め手は、その直感的なUI(ユーザーインターフェース)と、私たちの思想に合致したデジタル完結の思想でした。
Shippioの画面を初めて見た時、まずそのUIの素晴らしさに驚きました。すべてのやり取りが1つの画面にまとまっていて、各ステータスが一目で分かる。これはすごいUIだと直感しましたね。
新しいシステムの導入で懸念されたのは、私たちの先のお客様に使っていただけるか、という点です。しかしShippioは説明が不要なほど分かりやすく、お客様も自然に使いこなしてくれたのです。一度このデジタル体験をしたら、もう電話やFAXでのやり取りには戻れないと確信しました。
オペレーションマネージャー 中下 翼様
「会社の資産」となるオペレーションで、航空便の常識を覆す
―導入後の効果は?
Shippioの活用により、すべてのやり取りと各ステータスが一画面で確認できるようになり、海外工場や顧客を含むサプライチェーン全体の「可視化」が実現しました。
これにより、船便を利用しながらコストを抑えつつ安定供給を達成しています。
その理由は3つあります。
1つ目は、実績データを基にした、開発段階からの計画輸送です。中国からのリードタイムは比較的安定しているため、過去のデータを参考に余裕を持った輸送計画を事前に立てることができています。
2つ目は、動静のリアルタイムな把握による、早期の対応です。入港日や通関日の遅れといった不測の事態も、リアルタイムで状況を確認できるため迅速に対応できます。
3つ目は、Shippioのオペレーションチームによる柔軟な対応です。個別搬入や臨時開庁といったイレギュラーな事態への柔軟な対応が、サプライチェーン全体の安定性を支えています。
Shippio導入後も定期的に業務の見直しを行なっており、業務が標準化されたことで人の入れ替わりがあっても業務が安定して継続できるようになっています。
例えば入社1年未満の社員でも、過去の繁忙期に緊急手配したドレージの費用や、同一案件のHSコードをシステム上から簡単に参照できます。電話やFAXが中心だった過去の体制では不可能だったことで、手配の一つひとつが会社の「資産」として蓄積されています。
結果として、導入当初から物量が3倍になっているにも関わらず、国際物流は実質2人体制で回せています。固定費を上げずに運用できていることは、販売価格の維持という点でも私たちの大きな強みとなっています。
オペレーション 濱田 真知子様
さらなるデータ活用と、関税削減への挑戦
―今後の活用について
今後もShippioを活用し、サプライチェーンのさらなる最適化を目指していきます。現状でもShippioから、直近の輸入実績から見ると「関税削減の可能性がある」という提案を受けており期待を寄せています。
物流費の交渉だけでなく、EPA(経済連携協定)活用による関税削減は、事業に大きなインパクトをもたらす可能性があります。影響の少ない範囲からEPA適用をテストとしていきたいと考えています。
「やれることはマニュアル化して外注し、システム化できることは全てシステム化する」というのが、私たちの基本方針です。社員にはその仕組みをどう組み立てるかという、より付加価値の高い仕事に注力してほしいと考えています。Shippioには、この思想を共に実現するパートナーとして、これからも期待しています。
(左)Shippio セールス 津崎 泰生
Shippioでは国際物流の可視化を実現し、情報共有機能や、貿易書類・請求書管理、納期調整を一元管理できるクラウドサービスを提供し、貿易業務の可視化・効率化をサポートしております。
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