相場高騰と物流遅延を乗り越える。UCC上島珈琲が直接貿易を可視化し、さらなるサプライチェーン最適化へ

UCC上島珈琲株式会社様

  • 目的
    ・相場高騰に伴うキャッシュフロー改善のため、在庫量を絞りつつも原料の安定供給を維持できる体制を構築する。
    ・物流遅延や複雑な連絡手段によって現場に集中していた、膨大な問い合わせ対応と情報収集の工数を削減する。

  • 課題
    ・在庫圧縮・需要予測の難化・リードタイム長期化という「三重苦」が重なり、正確な着荷管理が困難な状況にあった。
    ・1日300通におよぶメールや電話、FAXに情報が散在しており、情報の検索や共有が完全に属人化していた。
    ・発注数量と製造出来高の差による「発注と請求の数量差」により、目視によるインボイス照合作業が実務上の大きな負担となっていた。
  • 効果
    ・動静の可視化によって社内問い合わせが激減し、関係者が自ら情報を確認できる「情報の一元管理」を実現した。
    ・AIインボイス照合の導入により、熟練のコツが必要だった照合作業を自動化して実務工数を大幅に削減した。
    ・Shippio Cargoの活用で直接貿易を一元管理し、ブラックボックスを排除して不測の事態に先回りできる環境を整備。
  • 食品
  • 在庫適正化
  • 業務効率化

1933年の創業以来、 生産国での栽培から販売に至るまでの一貫した体制で、一杯のコーヒーが持つ価値を追求し続けてきたUCC上島珈琲株式会社。

コーヒー生豆の国際相場高騰によるキャッシュフローへの影響と、欧州航路の長期化、リードタイム長期化というかつてない「三重苦」に直面する中で、同社はShippio Forwardingに加え、新たにShippio Cargoの導入を決定しました。直接貿易を一元管理することで、ブラックボックス化していた動静の可視化と「情報の一元管理」を実現する予定です。

在庫の最適化と安定供給という、相反する命題を両立させるサプライチェーン管理への変革について、最前線を担う原料輸入部 部長 長田光司様と主任 村田夏帆様にお話を伺いました。

導入サービス

ビジネスモデルと主な業務について

生産国での栽培から販売に至るまでの品質を支える、サプライチェーンのハブの役割

私たちは、一杯のコーヒーがお客様に届くまでのすべてに責任を持ちたいと考えています。1933年の創業から掲げている生産国での栽培から販売に至るまでというモデルこそが、UCCのアイデンティティです。

原料輸入部は、まさにこの長いサプライチェーンのハブの役割を担う部署です。世界中のサプライヤーから、製品の命ともいえるコーヒー生豆を買い付け、国内の各工場へ確実に届ける。一見シンプルですが、この原材料の安定供給を維持し続けることこそが、私たちの最も重要で、かつ難易度の高い使命です。しかし近年、原材料の調達環境は、かつてないほどの激しい変化に直面していました。

SCM本部 原料輸入部 部長 長田光司 様


導入の経緯と課題

在庫圧縮・相場高騰・物流混乱。三重苦に直面した現場の限界

直面していたのは、在庫圧縮・需要予測の難化・リードタイムの長期化という三重苦でした。まず、コーヒー生豆の国際相場が2025年に過去最高値水準まで高騰しました。在庫量が昨年と同じでも、在庫金額が跳ね上がるため、経営視点ではキャッシュフローを圧迫しないよう在庫量を極限まで減らしたいという方針になります。

しかし、原料が不足すれば後工程の製造ラインが全て止まってしまいます。さらに、相場変動に伴う販売価格改定のタイミングにより、顧客動向の変化が激しく、需要予測は極めて困難でした。追い打ちをかけるように、ヨーロッパからの輸入に関しては、数年前からスエズ運河を回避せざるを得なくなり、リードタイムが2〜3週間も長期化しました。

これまではExcelによる管理に加え、問い合わせがメール、電話、FAX、Teams等多岐にわたっていたため、情報が散在し、常にミスのリスクと隣り合わせの状態でした。

導入のプロセス

現場と取引先を繋ぐ、直感的なUIが変革の第一歩

全社的な基幹システムは動いていましたが、貿易実務の現場で日々刻々と変わる細かな動きをすべてカバーするのは難しい面もありました。私たちが求めていたのは、現場のメンバーが毎日ストレスなく使用でき、取引先の倉庫会社様ともスムーズに連携できるツールでした。

Shippioのクラウドサービスを初めて見たとき、分かりやすい画面設計に納得感がありました。これならマニュアルを読み込まなくても、すぐに実務に取り入れられると直感しました。実際、新しいシステムの導入には慎重な意見も出がちですが、取引先の倉庫様からも「これなら使いやすい」と好意的に受け止めていただけました。この使い勝手の良さが、業務改善へ踏み出す後押しとなりました。

Shippio利用イメージ ※Shippioのデモ環境をベースに作成

導入後の効果

「情報一元管理」とAI照合により、不確実な情勢下での安定供給を実現

導入後の最大の変化は、情報の一元管理が実現したことです。動静が可視化され、販売先や倉庫会社が直接ログインして状況を確認できるようになったため、1日300通近くあった問い合わせが激減しました。日々需要が変動する中で、工数をかけずに「今、荷物がどこにあるか」を関係者全員がリアルタイムで把握できる安心感は計り知れません。また、実務面ではフォワーダーをShippioへ切り替えたことで、一部の物流コストを約30%削減できたという定量的な成果も得られています。

また、業務負荷となっていたインボイス照合作業も劇的に改善しました。品目によっては、発注数量と製造後の出来高に差異が発生するものもあります。これまでは熟練のコツが必要だったこの照合作業を、AIインボイス照合機能が自動化してくれました。フォーマットが異なる書類でも自動で差分を抽出できるため、経験者以外でも正確に業務を遂行できる「標準化」が達成されました。

AIインボイス照合機能を使った照合結果の確認イメージ ※Shippioのデモ環境をベースに作成
(写真 中) SCM本部 原料輸入部 主任 村田夏帆 様

今後の活用について

サプライチェーン一元管理」へ

現在は、Shippio Forwardingに加えて新たに「Shippio Cargo」の利用を開始しています。私たちの大きな挑戦は、これまでブラックボックス化しがちだった直接貿易を可視化することです。

すべてのステータスを一箇所に集約することで、サプライチェーン全体の解像度を高め、不測の事態にも先回りして対応できる「攻めの安定供給」を実現したいと考えています。デジタルを味方につけて、誰もが本来のクリエイティブな業務に集中できる環境を、これからも追求していきます。


Shippioでは国際物流の可視化を実現し、情報共有機能や、貿易書類・請求書管理、納期調整を一元管理できるクラウドサービスを提供し、貿易業務の可視化・効率化をサポートしております。
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