家具を輸入したいけど関税や通関・輸送費などがどれくらいの手間や費用が発生するかわからない、とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
本記事では家具輸入の方法や関税・通関の際の注意点をご紹介します。
・海外で作った家具を日本で販売している荷主
・すでに輸入家具を販売している
・海外の家具が欲しいので個人輸入したい
という方はぜひ一読下さい。
家具輸入の関税・通関手続き
家具輸入の通関手続きについて
家具輸入の通関手続きについて、個人で手続きをする場合と通関業者やフォワーダーに依頼する場合の2通りご紹介します。
個人輸入の場合、輸入申告をご自身で行うため費用を抑えることができます。
しかしながら、個人輸入は煩雑な手続きに加え、輸入後の配送まで多くの手間が発生します。通関業者やフォワーダーに依頼することで、輸出時の通関や配送の手続きの手間を抑えることができます。
ご自身で家具輸入の通関をする場合
輸入は書類の作成・管理・配送など多くの手間が発生します。
個人で輸入申告するときは、全ての工程を自ら行う必要があります。
まずはじめに、アライバルノーティスに記載している搬入場所を調べ、輸入の税関検査後の配送を手配しましょう。手配する際は、保税蔵置場、荷物の重さと容積、荷物の内容、届け先などを伝えます。搬入場所によって輸入申告する税関が異なります。もし、わからなければ保税蔵置場の名前またはコードを税関に伝えて聞きましょう。
次に、輸入書類を用意して輸入申告をしましょう。申告をするときに、商品の外観やサイズが分かるように、家具が掲載されているウェブサイトや写真を提出するのがよいでしょう。
しかし個人で初めて輸入申告する人はほぼ確実に、税関検査が必要になります。税関検査は拒否することができず、検査にかかる費用は全て輸入者負担となります。
また、インボイスなどの書類を輸出者に送ってもらいましょう。多くの場合は輸出国を出港したタイミングで送付されます。
家具輸入の場合は別途用意すべき書類は他にないので、輸出者から送られてきた書類をそのまま税関に持ち込めば問題ありません。もし、不安であれば直接輸入申告する税関にご確認ください。
税関でNACCSと呼ばれるシステムを利用し、輸入申告を行います。インボイスにある情報(輸入価格や個数、HSコードなど)を入力します。
輸入許可がおり、関税や消費税の納付し輸入手続きは完了します。
通関業者やフォワーダーに通関を任せる場合
次に、通関業者やフォワーダーに任せる場合の流れをご紹介します。インボイス、パッキングリスト、B/Lなどの書類を通関業者かフォワーダーに送りましょう。引き渡し、輸入申告、検査、配送手配などすべて代行してくれます。
ただし、家まで運んでくれる業者でも、家の中に運搬・設置を依頼する場合は別途料金が発生する場合もあるので注意が必要です。
家具輸入の関税
基本的に家具を輸入する場合、関税はかからないことが多いです。しかし、例外的に一部の家具には関税がかかります。例えば革張りの腰掛けは4%前後の関税がかかります。
家具輸入の商品代金の支払いと輸送費についての注意点
家具輸入の際に発生する費用は商品代金、輸送費商品代金の支払いと輸送費について取り上げます。
商品代金の支払い
商品代金の支払いの際は、為替の変動に注意しましょう。特に、円高時に支払いを終えると、コストメリットの恩恵が得られます。支払い方法が銀行振込の場合は、先払いか後払いかでトラブルになるケースもあります。時々のケースに合わせて注意深く支払い方法を設定しましょう。
輸送費
輸送費に関して、取引相手とどちらが費用と責任を負担するかを明確にする必要があります。費用と責任の負担を決める際に活用するのが、インコタームズです。
インコタームズは費用負担の範囲を明確にしています。
例えばEXWのとき、現地の輸送を手配しなければならず、輸送費は高くなりますが、その代わり、輸入者側のコントロールの下で輸送することができます。
反対に、例えばCIFの場合、日本の港までの運賃・保険料を輸出側が負担してくれますが、その輸送は相手方の都合次第になります。加えて、海外の梱包は雑なことが多いようで、梱包にも注意した方がよいでしょう。
また、輸送方法でも費用は変わります。船・飛行機どちらの方法で輸入するかによって、輸送費は変動します。船の場合は、飛行機に比べて時間がかかりますが、より安価で輸入することができます。
海上輸送の場合はFCLにするかLCLにするかなど、輸送予定の貨物の大きさ・重さ・納期やスピード感によって、適した輸送手段は変わってきます。
家具輸入の材質や規制に関する注意点
まず個人輸入の場合は、部屋の出入り口から差し支えなく搬入できるか、という点に注意する必要があります。
輸入を考えている家具が木製であれば、規制の対象となっていないかを必ずチェックしましょう。素材がローズウッドやマホガニーなどのワシントン条約の規制対象である場合があります。
ワシントン条約の規制対象となる動物や植物そのものだけでなく、対象の種が一部でも含まれていれば、新品か中古、加工品いずれのケースでも輸出入の際に手続きが必要です。
また、ワシントン条約で規制されている家具を輸入する場合、輸出国の政府の発給する輸出許可書や、経済産業省が発給した輸入承認証等が必要です。
ワシントン条約の規制対象となるのか否かは、素材の学術名を事前に確認し、経済産業省の野生動植物貿易審査室で確認しましょう。もし、規制対象であった場合、附属書のいずれに該当するのかにより手続き(必要書類など)が異なります。それぞれの手続きについては経済産業省ウェブサイトをご参照ください。
・経済産業省「ワシントン条約規制対象貨物の輸入承認手続き」
・経済産業省「ワシントン条約対象貨物の輸出入に関するFAQ」
一方、ワシントン条約の規制対象外なのにもかかわらず税関で止まるケースも少なくありません。その際は、現地の発行する原産地証明書またはインボイス等の通関書類に、学術名、動植物の由来などを記載することをオススメします。原産地証明書やインボイス等の書類を使って、条約規制対象外の貨物だということを説明しましょう。
まとめ 家具を輸入する方法や注意点
本記事では家具輸入の方法や関税・通関の際の注意点をご紹介しました。関税や通関など、輸入の際に避けては通れない手続きに対しての理解を深め、安全で規則に則った輸入貿易に挑戦してみて下さい。
輸送のことで何かご質問等ございましたら、ぜひ一度Shippioのホームページからお問い合わせください。
Reference
ミプロ アメリカから木製家具を輸入
経済産業省 ワシントン条約対象貨物の輸出入に関するFAQ