貿易書類P/L(パッキングリスト)の作り方・書き方を徹底解説!【テンプレート付き】

2023.05.02

貿易(特に輸出)には、多くの書類が必要です。
今回は、その中でもP/L(パッキングリスト・Packing List)の具体的な作り方について詳しく説明します。

また、I/V((Invoice、 仕入書)や S/I((Shipping Instructions、 船積指示書)の役割や詳細について知りたい方は「【I/V、P/L、S/I】輸出に関する貿易書類の役割を解説」の記事もぜひご覧ください。

P/L(パッキングリスト)とは?

P/LはPacking Listの略で、日本語では「パッキングリスト」または「包装明細書」と呼ばれます。この書類には以下の情報が記載されています。

  • 輸出貨物の数量
  • 包装の重量
  • 包装のサイズ
  • 各包装に含まれる貨物の詳細

ただし、価格や決済に関する情報は含まれません。

P/Lが必要な理由

P/Lは荷受人が貨物内容を確認しやすくするだけでなく、税関での提出を求められることもあります。そのため、輸出準備の段階で準備しておくと安心です。

またLCL(コンテナ混載)の場合、貨物の包装重量やサイズが運送料金に影響するため、通関業者(フォワーダー)から提出を依頼されることがよくあります。

I/Vでの代替が可能なケース

包装数が少ない場合や、包装内の品目が1種類しかない場合には、I/V(Invoice、インボイス)でP/Lの代わりとすることが可能です。

P/L作成の手順

P/L(パッキングリスト)は、輸出に欠かせない重要な書類です。以下では、P/Lの具体的な作成手順をわかりやすく説明します。実際のP/L例を参考にしながら作成を進めてください。なお、記入は基本的に英語で行います。

 

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  1. 輸出者情報の記載

    輸出者(会社名)、住所、電話番号を記入します。

  2. 作成時とインボイス番号の記入

    書類作成日と該当するインボイス番号を記載します。

  3. 荷受人(輸入者)情報の記入

    荷受人(会社名)、住所、電話番号を記入します。

  4. シッピングマーク(荷印)の記載

    貨物の外装に付けるマークを記載します。これは、貨物の中身を識別するために必要です。

    • 注意事項:

      実際の貨物に記載されたマークとP/Lの記載が異ならないように注意してください。不一致があると修正や余計なコストが発生する可能性があります。

    • 例外ケース:

      FCL(コンテナ貸し切り)の場合、他の荷物と混同しないためシッピングマークが不要な場合もありますが、一部の国ではFCLでも必要です。基本的には記載しておくのが無難です。

  5. 船名と船番号を記入

    貨物を輸送する船の名前と航海番号(Voyage No.)を記載します。

  6. 船積日を記入

    実際に貨物が積み込まれる日付を記載します。

  7. 仕出地の港を記入

    輸出が行われる港を記載します。(例:東京港)

  8. 経由地の記載

    貨物が直行便で輸送されない場合は、経由する港を記載します。

  9. 仕向地を記入

    輸出先の最終到着地を記載します。(例:韓国・釜山)

  10. 貨物の原産地を記入

    輸出する貨物の原産地を記載します。原産地証明が必要な場合については別途確認が必要です。
    ※原産地証明について解説した記事はこちら

  11. 輸出する品目を記載

    各品目の詳細を記入します。複数の品目がある場合は梱包番号(No. of PKG)を記載してください。

  12. 梱包数を記入

    貨物の梱包単位数を記載します。

  13. 品目の数量を記載

    各梱包に含まれる品目の具体的な数量を記載します。

  14. 梱包前の貨物重量を記載

    梱包材を含まない貨物の純重量を記載します。

  15. 梱包後の貨物重量を記載

    梱包材やパレットを含めた総重量を記載します。

  16. 総梱包数を記載

    貨物全体の梱包数を記載します。

  17. 輸出者の署名または正式な記載

    最後に、輸出者の署名や会社情報を再確認のうえ記載します。

    P/Lテンプレートのご案内

今回ご紹介したP/L作成のためのテンプレートは、以下のリンクからダウンロード可能です。必要に応じてお使いください。
▪P/Lテンプレのダウンロードはこちら

まとめ: P/Lの作り方をマスターしよう

ここまで、P/L(パッキングリスト)の作成手順を詳しくご紹介しました。初めて作成する際は少し時間がかかるかもしれませんが、I/V(Invoice)からコピペできる部分も多いため、慣れれば効率的に作成できるようになります。

特にフォワーダーに貿易手配を依頼する場合、事前にP/Lを用意しておくことで、見積もりや手配がスムーズに進行します。

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Reference

JETRO 通関業者に輸出通関を依頼する際の必要書類



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