コンテナの種類はこんなにある!大きさや機能によって最適なコンテナを見つけよう

2023.04.26

国際物流に欠かせないコンテナには、さまざまな大きさや機能を持つ種類があります。そのため、自社の貨物にどのコンテナが適しているのか分からず、迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?本記事では、コンテナの種類を網羅的にご紹介し、それぞれの特徴や用途について分かりやすく解説します。

コンテナの選び方を理解することで、輸送する貨物に最適なコンテナを見つけることができます。適切なコンテナを選ぶことは、輸送効率の向上やコスト削減につながるだけでなく、貨物の安全性を高める重要なポイントです。

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大きさで見るコンテナの種類

海上輸送に使用されるコンテナは、その大きさによっていくつかの種類に分けられます。主に長さと高さによって分類されており、長さは20フィート、40フィート、45フィートの3種類、高さは8フィート6インチ、それより高い9フィート6インチの2種類が一般的です。

20フィートコンテナ

20フィートコンテナは、最も標準的で広く使用されているサイズのコンテナです。外寸は、幅8フィート×高さ8フィート6インチ×長さ20フィート(約2.4m×2.6m×6m)で、内寸は仕様により若干異なりますが、目安として幅2.35m×高さ2.38m×長さ5.9m 程度となります。

扉の開口寸法は幅約2.34m×高さ約2.28mで、貨物の積み下ろし時のサイズ確認が重要です。最大積載容量は約33m³、積載可能な重量は 21,000kg〜22,000kg となっており、小規模の貨物輸送に適しています。

40フィートコンテナ

40フィートコンテナは、20フィートコンテナの2倍の長さを持つタイプです。外寸は幅8フィート×高さ8フィート6インチ×長さ40フィート(約2.4m×2.6m×12m)となり、内寸の幅や高さ、扉開口部のサイズは20フィートコンテナと同様ですが、内寸の長さは約12m になります。

このサイズのコンテナは、最大積載容量が約 67.5m³、重量上限は 26,000kg〜27,000kg であり、より大量の貨物を輸送する際に適しています。

 

45フィートコンテナ

‍45フィートコンテナは、40フィートコンテナよりもさらに長く、輸送効率を高めるための大型サイズです。日本国内では、2011年に宮城県の特区で実証実験が行われ、同年9月に初めて実用化が実現しました。ただし、一般道での運送が規制されているため、国内での流通は限定的です。

一方、アメリカでは一般的に利用されており、最大積載容量は 約86m³ と、40フィートコンテナの約1.3倍の容量を誇ります。また、道路規制が緩やかな東南アジア各国でも採用が進んでおり、2005年にはISO(国際標準化機構)の規格として正式に認可され、国際的に使用が広がっています。

高さで見るコンテナの種類

コンテナの分類は長さだけでなく、高さでも分けることができます。コンテナの高さには8フィート6インチ(8’6”ft)と、その1フィート高い9フィート6インチ(9’6”ft)の2種類が存在します。

8’6”ftのコンテナ(汎用コンテナ)

8フィート6インチ(約2.6m)の高さを持つコンテナは、最も広く使用されている標準的なサイズです。「汎用コンテナ」や「GP(General Purpose)」、「8'6(ハチロク)」と呼ばれることが多く、輸送される貨物の種類を問わず多目的に利用されています。

このサイズのコンテナは、特に特別な条件を必要としないため、海上輸送や国内輸送において使い勝手が良く、最も一般的な選択肢となっています。

※20フィートの汎用コンテナにおいて、ハイキューブ(HC)規格はISO標準に設定されていません。

9’6”ftのコンテナ(ハイキューブコンテナ)

9フィート6インチ(約2.9m)の高さを持つコンテナは、「ハイキューブコンテナ」や「背高コンテナ」、「9'6(クンロク)」と呼ばれます。表記としては HC(High Cube) または HQ(High Quantity) が使用されます。

このサイズは、8'6"ftのコンテナと 幅や長さは同じ ですが、高さが1フィート(約30cm)高いため、内寸は約2.7mとなり、扉開口の高さも約2.6mと広がります。この高さの増加により、コンテナの容積は約 12%増加 し、軽量でかさばる貨物の輸送に特に適しています。

また、HCコンテナの海上輸送運賃は汎用コンテナと同じであることが多いため、同じコストでより多くの貨物を積載できる点もメリットです。そのため、コスト効率を重視する場合に非常に有用です。

日本国内での利用時の注意点

日本国内の道路でHCコンテナを利用する際には、特殊車両通行許可制度に基づく許可が必要となります。この点は標準の汎用コンテナ(8'6"ft)とは異なるため、輸送計画時に注意が必要です。

HCコンテナの最大積載容量は約 76.2m³、重量の上限は40フィートサイズの8'6"ftコンテナとほぼ同じで、26,000kg〜27,000kg となっています。

機能で見るコンテナの種類

ドライコンテナ(Dry Container)

‍‍ドライコンテナは、一般貨物の輸送に最も広く利用されているコンテナで、工業製品や日用品などを常温で輸送する際に適しています。

外装は耐久性の高いコルゲート状のスチール製、床面は合板で構成され、風雨を遮断する構造が特徴です。

しかし集中荷重に弱く、ラッシングポイントが少ないため、重量物や特殊貨物を扱う際には注意が必要です。電化製品、自動車部品、コーヒー豆、葉たばこ、ワインなど多様な貨物の輸送に使用されています。

リーファーコンテナ(Reefer Container)

リーファーコンテナは、冷凍機を内蔵し、温度管理が必要な貨物を輸送するための専用コンテナです。内部は断熱材で覆われ、温度調節は -25℃~+25℃ まで可能です。底部にはレールが取り付けられているため、ドライコンテナより内寸がやや小さく、内容量と最大積荷重量も若干小さくなっています。 サイズは20フィートと40フィートの2種類が標準です。

 

  • 内寸(リーファーコンテナのサイズ)
    • 20フィート:幅約2.2m×長さ約5.4m×高さ約2.2m
    • 40フィート:幅約2.3m×長さ約11.6m×高さ約2.5m

 

リーファーコンテナは、冷凍機によって-25℃から+25℃の温度調節が可能で、モーターやターミナル、船舶から供給される電力で動作します。冷・暖空気は底部のダクトを通じて循環し、コンテナ内全体に均等に行き渡るよう設計されています。また、各冷凍ユニットには換気孔があり、貨物から発生する熱や二酸化炭素を外部に排出し、新鮮な空気を取り込む仕組みがあります。これにより、生鮮食品やその他のデリケートな貨物の品質を保つことができます。高度な冷凍コンテナはコンピュータ化されており、高精度の温度制御が可能で、品質維持が肝要な貨物の輸送が容易となりました。

リーファーコンテナは、温度管理が重要な生鮮食品や薬品、高温による劣化が懸念される美術品や、厳密な温度制御が必要な精密機械などの貨物輸送に使用されています。

リーファーコンテナ CAタイプ(Controlled Atmosphere)

リーファーコンテナCAタイプは、庫内の‍酸素や二酸化炭素の濃度を調整できる特殊なコンテナです。酸素濃度を抑えることで、生鮮品の呼吸量を減らし、鮮度や品質の低下を遅らせます。性能によっては窒素を供給して酸素濃度をさらに下げる機能も備わっています。

このタイプのコンテナは、熟成や劣化を遅らせ貯蔵寿命を延ばす効果があるため、アボカドなど呼吸量が多い果物の輸送に最適です。鮮度維持が重要な輸送に活用されています。

オープン・トップ・コンテナ(Open Top Container)

オープン・トップ・コンテナは、‍天井部分が解放されており、防水シートで覆う事ができる特殊なコンテナです。

屋根部分がないため、上部からの荷役が可能で、金属製の梁はスライドさせたり取り外したりできます。内部にはラッシングリングが備えられ、輸送中の貨物固定が容易です。

オープン・トップ・コンテナは、高さや長さが規格外の荷物や、通常のドライコンテナでは収容が難しい貨物の輸送に適しています。

フラット・ラック・コンテナ(Flat Rack Container)

フラット・ラック・コンテナは‍、屋根や両側面、扉部分を持たず、大型貨物の輸送に適した特殊なコンテナです。左右や上方からの荷役が可能で、高さや幅が規格外の貨物や重量物の輸送に使用されます。エンドフレームは折り畳み式になっており、使用後の収納や保管に便利です。

貨物を固定するために、ラッシングリングやボトムサイドレール、コーナーポストを活用でき、ストラップやチェーンを用いて安全に固定する仕組みが備わっています。ただし、本船への積載場所が限られるため、割増運賃が適用されることがある点に注意が必要です。

フラット・ベッド・コンテナ(Flat Bed Container)

フラット・ベッド・コンテナは、床面だけのシンプルな構造で、屋根や側面を持たないコンテナです。‍フラット・ラック・コンテナ同様に、大型で規格外の貨物や重量物を輸送する際に使用されます。高さがある貨物や幅が広い貨物、重い機械類や鋼材の運搬に適しています。

貨物を積んでいない状態では、段積みしてコンパクトに収納することが可能です。この設計により、輸送効率と保管効率を両立しています。パイプや機械などの重さや高さ、幅のある貨物によく使用されます。

タンク・コンテナ(Tank Container)

タンク・コンテナは、液体貨物の輸送を目的とした特殊なコンテナです。鋼製のフレーム内にタンクを格納した構造で、最大約26KLの液体を輸送可能です。

食品関連ではモルト(原酒)や醤油など、また液体化学薬品など多様な液体貨物に対応しています。

まとめ:最適なコンテナを選ぶために


本記事では、コンテナの種類を大きさや機能に分けて解説しました。コンテナの特徴を正しく理解することで、輸送予定の貨物に最適なコンテナを選ぶ手助けとなります。適切な選択は、輸送効率の向上やコスト削減につながります。

コンテナ輸送の運賃や最新の市況についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひ最新の市況レポートをご確認ください。

 

 

 

 

Reference

ONE
OOCL - コンテナ

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