導入事例

「デジタルフォワーディング」と「Any Cargo」で貿易実務全体の効率化・可視化を推進

豊田通商株式会社

豊田通商株式会社はトヨタグループの商社として、金属、グローバル部品・ロジスティクス、モビリティ、機械・エネルギー・プラントプロジェクト、化学品・エレクトロニクス、食料・生活産業、アフリカの7つの営業本部を有し、幅広くビジネスを展開しています。

  • 目的

    ・取扱い商流全体の出荷や本船の状況をリアルタイムで確認し、コンテナの動向把握をスムーズに行いたい。かつ物流業務の業務効率化を図りたい
    ・スモールスタートで実現可能なグループ会社・豊通マテリアルでの物流改善に貢献したい

  • 課題

    ・コロナ禍においてコンテナの動向が把握できず、現場が混乱する課題が発生
    ・船の遅延が多発しスケジュールが読めない。確認作業や調整業務の工数も増大

  • 効果

    ・貿易業務工数が30~60%削減し、業務効率化を実現
    ・船の動静確認や通関への書類などについて、オンラインでの一元管理が可能に
    ・ゲストアカウントの活用で、納品先である豊通リチウムとの情報共有も容易に

  • 総合商社
  • 業務効率化

本社からグループ会社へ紹介、物流改善支援を実現!
Shippioとの取組が、社内での高評価につながった!

この度、豊田通商株式会社が、グループ会社であり金属関連の専門商社として資源循環分野をも担う豊通マテリアル株式会社とともに、どのようにShippioクラウドサービスを活用し、どのような効果を創出してきたのかについて、お話をお伺いしました。

対談には、豊通マテリアル株式会社とのやりとりでShippioを活用している、水酸化リチウムの製造・販売を行う豊通リチウム株式会社にも登場いただきました。

 

 

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お話を伺った方々

  • 豊田通商株式会社 物流部グローバル調達グループ 河崎様
    • グループ会社の物流改善支援を行う
  • 豊通マテリアル株式会社 資源トレーディング事業部リチウムグループ 宮垣様・前田様・林様
    • リチウム資源の輸入販売(輸入者)を行う
  • 豊通リチウム株式会社 管理部調達物流課 斎藤様
    • 水酸化リチウムの製造、販売(納品先)を行う

金属資源の調達・物流・加工のサポートまで「資源循環分野」をも担う豊田通商グループの金属系専門商社

― ビジネスモデルと業務について教えてください

河崎様:豊田通商はトヨタグループ唯一の商社として、幅広い事業領域において豊かで快適な社会づくりに欠かすことのできない商品やサービスを提供しています。

豊通マテリアルは、豊田通商グループの金属関連の専門商社として、多様なマテリアルを扱い、資源循環分野をも担う金属分野の業務の中枢を支える存在です。そのような中、資源トレーディング事業は電動車(EV)向けの電池・モーターや、医療分野、新エネルギー、一般消費財の環境技術進展に使用されるリチウム、レアアースの安定・最適供給化の支援を行っており、2018年に誕生した国内初の水酸化リチウム製造会社・豊通リチウムとともに、リチウム資源開発事業から国内外の顧客への安定供給まで一連の業務を担っています。

私は豊田通商の物流部グローバル調達グループに属しており、バルク船の運賃調達や新規で物流スキームを作る際の戦略や業容拡大支援、及び物流コスト低減を主に担当しています。豊田通商の営業本部はもちろん、グループ会社含め物流サポートを行っています。

宮垣様:私は豊通マテリアルにおいて前田・林とともに、アルゼンチンからの炭酸リチウム輸入や三国間輸出などの物流業務、及び豊通リチウムからの水酸化リチウム輸出を担当しています。私は主に輸入業務に携わっており、豊通リチウムに対して輸入・販売のフォロー業務がメイン業務の一つとなります。

林様:私は主にアルゼンチンから資源を出荷する部分を担当しており、ブッキングや船積みのフォローまでを付随して行っています。前田は三国間物流を行っており、業務分担しながら日々業務を進めています。

斎藤様:私は豊通リチウムで管理部調達物流課に所属しています。水酸化リチウムの製造で必要となる原材料から事務用品まで、工場運営に関わるものを調達する役割を担っています。原料輸入や製品販売で豊通マテリアルとのやりとりが発生します。

コロナ禍に発生した、コンテナ船の遅延問題
動静が読めない状況下、人力で対応せざるを得ない

― 業界全体の背景と課題について教えてください

河崎様:コロナ禍において、各部署から物流に関する相談が殺到しました。対処していく中で最も多かったのが、コンテナの動向が把握できず、現場が混乱しているという課題でした。コンテナ船の運行遅延等によりコンテナ回転率が低下し、業界全体で納品遅れが多発する困難な状況。いろいろと物流サービスが存在するのは知っていたので、何か策はないかと本格的に検討を始めました。

宮垣様:コロナ禍以降、船の遅延が多発しスケジュールが読めないことが大きな課題でした。特に弊社が扱う貨物がアルゼンチンから日本への輸入、三国間でアジア向け、ヨーロッパ向けへ輸出…と通常でも50-60日を要するかなり船足が長いものが多く、そこにコロナ禍の混乱でさらに一か月程度の遅れが生じることもございました。

また、ひとつズレが起こると、関係各所全てに変更と調整が必要になります。遅延による調整業務は日々煩雑化、一層困難な状況になっていました。

林様:コンテナ船の遅延問題は、お客様への価格にも影響してしまいます。せっかく営業が受注してきても、想定外の価格転嫁によっては顧客が離れていくという悪循環となります。遅延が常態化していたため、動静を一つ一つ確認する作業に毎日かなり時間を取られている点も悩みでした。

自分で船積み管理表を作成しETD、向け地、ブッキングNoを各船会社ホームページで検索し、転記と随時更新を繰り返します。管理する上でも業務効率が非常に悪く、人的作業となるためミスも心配でした。

斎藤様:船積みのスケジュール更新や変更依頼に関して、豊通マテリアルとはメールでやりとりをしていました。案件が多い時など、万が一メールを見逃してしまうと倉庫業者へ迷惑がかかってしまう恐れもあり、緊張を抱えていました。

前田様:扱う数量が増えるにつれ、マンパワーでカバーする領域が増えていき、このままではいけないと感じていました。

本社からグループ会社へ「Shippio」を紹介
貿易実務の可視化で遅延時もスムーズに調整可能に

― 「Shippio」検討のきっかけについて教えてください

河崎様:検討当初の目的は、各署から相談を受けていた物流の課題解決でした。出荷や本船の状況をリアルタイムで確認し、コンテナの動向把握ができないかと考えたことがきっかけです。ただし現状の問題が解決したら、もうサービスは不要…ではもったいないとも感じていました。

ツールを入れることがゴールではなく、物流業務が抱える根本的な問題を解決しながら業務改善に繋げていけるものがベストだと考えていました。「Shippio」と初めて出会ったとき、非常に魅力的なツールだと直感しました。偶然、Shippioさんの社長の講演会でお話を聞く機会があり、そこからずっと気になる存在でした。会社が抱える課題や目的にアプローチし、解決してくれる“手段”となり得るなと思いました。

実際に会って詳しく話を聞いてみると、ともに業容拡大していこう、成長していこうというメンバーの皆さんの姿勢も素晴らしく、導入の決め手になりました。後は対応力の速さと柔軟性ですね。

とはいえ、豊田通商本体は部署も多く全社導入のハードルは高い。まずはスモールスタートの実現が可能なグループ会社で導入して成功事例を作るのが大切だと考え、豊通マテリアルの前田さんにお声がけしました。

前田様:河崎さんから「Shippio」の紹介があり、これまでデジタルフォワーディングに馴染みはなかったものの、課題解決に繋がる可能性を感じました。メンバーの宮垣・林に声をかけたところ、宮垣が「やってみたい!」と真っ先に手を上げてくれました。

宮垣様:提案いただいている内容に強く興味を持ちました。まずは1本、1コンテナ・1BLからのスモールスタートでトライアルが可能で、実際に今一番困っているところから気軽に試せるのが非常によかったです。

林様:他の船会社の物流システムを紹介してもらったことがあるのですが、購入しないといけない等、スタートのハードルが高いのがネックでした。実は、この手のシステムでメリットが見いだせるのかも最初は半信半疑でもありました。

ただ、実際に使用した宮垣からデジタルフォワーディングのメリットを聞き、心が動きました。トライアルを使用してみて便利さを実感、本利用に至りました。

 

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デジタルフォワーディングとAny Cargoの併用で
運用工数が30~60%削減し、業務効率化が叶う

― 導入後の効果は?

宮垣様:2022年9月にデジタルフォワーディングのトライアルをスタート、11月には豊通リチウムも利用を開始しました。現状では、デジタルフォワーディングを輸入業務の50%程度で活用しています。

これまでの運用では、ブッキングNoを一件ずつ手入力して動静確認を行っていたのですが、「Shippio」導入後は動静が自動で一覧閲覧でき、簡単に把握できるようになりました。かなりメリットを感じています。

クラウド上で容易に動静管理できるようになったことで、遅延が多く発生した際にも変更依頼や共有がスムーズに豊通リチウムへ行えます。また案件ごとの情報集約もシステム上でできるようになり、肌感覚ですが、30%程度は業務効率化が図れているのではと感じています。

斎藤様:「Shippio」は、輸出入業務の知識があまりない自分でも状況把握が分かりやすく、豊通マテリアルとのやりとりが容易になりました。また社内や関係部署への展開・共有が簡単にできるのも効率的です。納品調整や社内連携の改善で、豊通リチウムとしても30%程度の業務効率化が図れていると感じています。

林様:デジタルフォワーディングでは対応不可の商流に対応するため、2023年2月にAny Cargoを開始しました。デジタルフォワーディングとの併用で、貿易実務全体の効率化と可視化を推進しています。全ての船積みが一目瞭然で、とにかく確認がしやすい。業務効率化、確認のスピード短縮…まさに、いいことづくしですね。体感値で約60%は業務削減に貢献しているかなと思います。

前田様:こちらの要望や改善点に、即対応いただけるスピード感も魅力に感じています。今後に期待する点として、他社や世の中一般的なフレート(海上運賃)が分かるようになるといいなと感じています。

河崎様:直接的には携わっていませんが、当初豊通マテリアルが課題に感じていた部分、さらには貿易実務の業務効率化に繋がっており「Shippio」導入の効果を感じています。

今後は「Shippio」のビックデータやノウハウを活用して、さらなる物流改善を新たな強みに繋げていけたらと考えています。

 


 

Shippioでは国際物流の可視化を実現し、情報共有機能や、貿易書類・請求書管理、納期調整を一元管理できるクラウドサービスを提供し、貿易業務の可視化・効率化をサポートしております。
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