本記事では、三国間貿易に関して、仕組みやモノ・カネの流れ、各プレイヤーにとってのメリットとデメリットを解説します。
三国間貿易とは
三国間貿易とは、その名の通り、三つの国が関与する貿易形態を指します。貿易は、通常「日本と中国」「日本とアメリカ」など二国間で行われます。
一方、三国間貿易は、一国(中間国)が他の国から商品やサービスを購入し、その後別の国へと販売する、という形式をとります。
三国間貿易の仕組みとモノ・カネの流れ
三国間貿易のプレイヤーは「輸出者」「輸入者」「仲介者」の3者が関わり合い、成り立ちます。以下図を用いて、詳しく解説していきます。
貿易
貿易は通常、二国間で行われます。輸出者は輸入者に商品を引き渡し、輸入者は輸出者にお金を支払い
ます。
三国間貿易
三国間貿易は通常の貿易と異なり、仲介者となる国を経由して金銭のやり取りが発生します。商品自体は輸出国から輸入国に直接送られることになります。
三国間貿易のメリット・デメリット
三国間貿易は輸出者、輸入者、仲介者のプレイヤーそれぞれにメリット・デメリットがあります。
輸出者
輸出者が三国間貿易を行うメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット
・仲介者を介することで、これまで販路開拓していなかった国への商品の販促が可能になる
・お金に関するやり取りは仲介国が行うので、代金回収の安全性が高い
・為替面や税制面でのメリットを受けられる場合がある
デメリット
・仲介国を介するため、手間やコミュニケーションは増える
輸入者
輸入者が三国間貿易を行うメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット
・仲介者を介することで、自国やすでに貿易関係のある国以外から欲しい商品を仕入れることができる
・商品自体は経由されず、輸出者から直接輸送されるため、素早く商品が届く
・為替面や税制面でのメリットを受けられる場合がある
デメリット
・仲介者を介することで、通常の貿易よりも商品の仕入れ値に”仲介料”が乗る
・仲介国を介するため、手間やコミュニケーションは増える
仲介者
仲介者が三国間貿易を行うメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット
・仕入れ値に仲介料(マージン)を乗せることで利益を得ることができる
デメリット
・日本が仲介国となる場合の留意点を2点、次の章で解説します。
三国間貿易の留意点 (日本が仲介国となるケース)
日本が仲介国になる場合の三国間貿易における留意点を、インボイス資料とコミュニケーションの2つの観点から解説します。
三国間貿易時のインボイス資料について
貿易に必要不可欠な書類にI/Vがあります。I/Vとは、Invoiceの略で、インボイスまたは送り状と呼ばれます。三国間貿易では、このインボイスが2種類必要になります。
輸出する商品の明細を示すと共に、輸出者が輸入者に請求する代金の請求書としての機能を持ちます。
日本が三国間貿易の仲介国となるケースで考えます。
まず輸出者であるA国から貿易書類が届きます。日本はそれを受理して、新たなインボイスを発行し、B国に送付します。取引の途中で差し替えが行われるため、三国間貿易で使用するインボイスはスイッチングインボイスという呼び方もします。
インボイスについて、作り方やテンプレートをダウンロードしたいという方は「貿易書類I/V(インボイス)の作り方・記載方法を徹底解説!【テンプレートがダウンロード可能】」をご確認ください。
三国間貿易のコミュニケーション・情報共有について
三国間貿易の仲介国となる場合、貿易条件によっては仲介国である日本が商品の運行状況や情報についてハンドリングする必要があり、通常の貿易よりも多くのコミュニケーションの手間が求められるケースがあります。
例えばインドネシアからアメリカに商品を輸出をする場合は、日本の仲介者がアメリカに対して納期調整や本船動静の管理に関しての情報を提供する場合があります。
この場合、インドネシア、日本、アメリカの担当者間で密でクイックで正確なコミュニケーションが求められます。三国間貿易は、貿易条件によっては本船動静の管理や情報共有などのコミュニケーションの手間がかかる場合がある、という点は留意しておくと良いでしょう。
ここまで解説してきたように、煩雑な三国間貿易を効率的に管理するために、システムを活用することも選択肢の一つです。例えば、Shippioは、三国間貿易で仲介者がもつこれら課題に対して、本船動静の自動トラッキングや貿易書類・コミュニケーションの一元管理によって、業務を可視化・効率化するクラウドサービスを提供しています。
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まとめ
本記事では、三国間貿易に関して、仕組みやモノ・カネの流れ、各プレイヤーにとってのメリットとデメリットを解説してきました。通常の貿易にはないメリットや留意点などがあるので、ぜひこの記事を参考にしてみてください。