自社の課題に合わせて、在庫管理システムを導入しよう!必要とされる背景や導入メリットなどを解説

2023.04.28

近年、「在庫管理」が物流のトレンドキーワードの一つとなっています。

・どこまで安全在庫を増やせばいいかわからない
・在庫の適正化をしたいが、どう削減していいかわからない

とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、在庫管理のシステムについて紹介し、解決できることや自社課題に最適なシステムの見つけ方を解説していきます。

在庫管理システムとは?

在庫管理システムは、在庫に関するあらゆる情報を正確に管理・運用するためのシステムを指します。具体的には、商品の在庫数、入庫の管理、出庫の管理、製造番号のデータ管理など、様々な機能を持ちます。

在庫管理の適正化は経営の観点から非常に重要な課題です。在庫を抱えすぎると余分な倉庫が必要になり、却って在庫が少なすぎると商品を提供できなくなります。
こうした課題を根本的に解決する方法の一つとして、在庫管理システムが注目を集めています。

在庫管理が必要とされる時代的背景

新型コロナ感染拡大の影響で、コンテナ輸送およびサプライチェーンは大きな混乱が発生しました。こうした混乱への対応に追われた貿易担当者も多いのではないでしょうか?
その中でも特に変化があったのは「在庫管理」に関する考え方です。

サプライチェーンの混乱により、まず発生したのは在庫不足です。

本船動静の遅延などで、商品や部品がスムーズに届かない、納品が間に合わない、ということが頻発しました。こうした状況に対応するために、在庫を積み増した企業が増加しました。これを安全在庫といいます。

しかし現在は、サプライチェーンの混乱から落ち着きを取り戻しつつあります。
余剰在庫を抱えることは、機会損失のリスクが少ない一方で、倉庫費・保管費、人件費が増えることを意味します。

安全在庫を減らすべきか、引き続きリスクに備えるべきか、各企業が在庫管理のあり方や方針を問われています。

在庫管理システムを導入するメリット

具体的に在庫管理システムを導入するメリットについて解説します。

メリット①:在庫状況のリアルタイム可視化

在庫状況を適正に保ち管理するためには、現状を正しく把握しなくてはいけません。
在庫管理システムの導入で期待できることの一つは、「余剰在庫の可視化」です。

システム内で正確に在庫数を管理できるので、不要な在庫数をより簡易的に管理することができ、その時々に応じた正しい対処をすることが可能になります。これまで余計に支払っていた倉庫のコスト削減が可能になります。

逆に今何が足りないのか、いつ欠品になるのかなどの在庫管理も可能になります。リアルタイム可視化が可能なサービスの一つとして、株式会社スマートショッピングが提供する「スマートマットクラウド」があります。lotデバイスを通して在庫の重さを計測し、クラウドでデータを管理するサービスで、リアルタイムに在庫の管理を実現できます。
https://www.smartmat.io/


余剰在庫を可視化する上で必要となるのは、「いつ輸送中の荷物が届くのか」の可視化です。
国際物流プラットフォームのShippioは、国際物流の可視化を実現します。
中国から輸送中の商品はいつ納品されるのか?遅延している原因はなにか?などの状況をリアルタイムに可視化することで、在庫に対する受発注の判断やアクションを素早く執り行うことが可能になります。つまり、商品が販売できなくなる機会損失を防ぐことができるのです。

 

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メリット②:在庫管理業務の効率化

みなさんの会社はどんな方法で在庫を管理していますか?
物流業界はアナログな業務も多く存在し、紙で管理している会社やエクセルに打ち込んで管理している会社もまだまだ多いかと思います。また、仕事の取り組み方やルールが属人化してしまい、業務が回らなくなるケースもよく耳にします。
在庫管理システムを導入することで、自動発注やデータ分析などが可能になります。

例えば、株式会社キャムの提供するキャムマックスは、外部倉庫や委託倉庫もまとめて管理できる機能や、1SKUを複数棚番でフリーロケーション管理できる機能などを有しており、在庫管理業務の効率化に繋がります。
https://www.cammacs.jp/

メリット③:倉庫の保管・管理コストの削減

在庫状況の可視化、業務効率化を実現することで在庫管理の必要を減らし、これまで発生していた倉庫費・保管費などのコスト削減も可能です。

また、現状の管理に使っている人件費・リソースも削減することが可能になります。

在庫管理システムの選び方

在庫管理ができるシステムは数多く存在し、どのサービスが自社に合っているのか、なかなか掴みきれない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、在庫管理システムの選び方とそのプロセスについてご紹介します。

自社の特性・課題・使用用途を明確にする

在庫管理システムを選ぶ上で最も重要なのが、自社に適したサービスかどうかです。

・危険品や専門性の高い製品を扱っているか、食品や飲料を扱っているか、など扱う商品の特性
・在庫管理のどの部分に課題を感じているのか
・何を目的にシステムを使いたいのか


自社の課題をしっかりと定義・明確化し、適切なシステムを選ぶことが重要です。
業界・業種に特化したシステムも存在するので、マッチするシステムがあれば、お問い合わせしてみると良いでしょう。

 

(例)
・小売業に特化した在庫管理サービス「フルカイテン」

https://full-kaiten.com/

価格や使いやすさ、サポート体制などを比較する

数多く存在する在庫管理システムは、初期コストが発生するもの、月額費用が発生するもの、トライアルで一定期間無料で使えるものなど、料金体験も様々です。
自社の予算面で無理のないサービスを探すこともシステム選定の一つの基準になるでしょう。
また。直感的な使いやすさ、利用を始めた後にどれだけの質・量でサポートが受けられるのかを確認することも重要です。
導入・定着を支援するカスタマーサクセスの体制についても、導入前に確認することをおすすめします。

全体的なサプライチェーンの可視化が必要となってくる

ここまで在庫管理システムに特化してご紹介しましたが、在庫管理システムで可視化できる業務には限界があり、リスク管理の観点から、End to End でのサプライチェーンの可視化が求められています。

在庫管理にかぎらず、あらゆる業務を標準化するツールとして、SAPがあります。
SAPはERP(Enterprise Resource Plannig)の一つで、基幹システムと呼ぶ企業も多いです。
SAPはドイツのSAP会社が提供しており、生産・販売・財務などのあらゆる業務のデータ管理を実現するツールです。幅広く業務課題を解決したい場合は、SAPのようなERPの導入も選択肢の一つになるかもしれません。

また、サプライチェーンの可視化を実現していくためには
・いかに早く輸送状況を確認するか
・いかに早く受発注を判断できるか
の体制を整備する観点も必要不可欠です。

Shippioは国際物流の可視化に特化したクラウドサービスです。

 

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・リアルタイムに貨物の輸送状況が分かる
・洋上在庫の可視化ができる
・過去案件でどんな手段を取ったかも記録を残すことができる
ので、柔軟に在庫をコントロールできる体制構築にも一役買います。

 

サプライチェーンの可視性に課題がある荷主企業はぜひShippioまでお問い合わせください。

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まとめ

この記事では、在庫管理のシステムについて紹介し、在庫管理システムで解決できることや自社課題にとって最適なシステムの選び方について解説しました。

ぜひ自社に合うシステムを見つけ、在庫の適正化の参考にしてください。

▼関連動画

新型コロナ感染拡大を受けて発生したコンテナ輸送およびサプライチェーンの混乱は、荷主企業に対してどのような影響を与えたのか。

拓殖大学の松田教授にお話いただいたウェビナーのアーカイブ動画もあります。ぜひ併せてご覧ください。

コロナが変えたゲームのルール。荷主に求められるサプライチェーン強靭化