―ビジネスモデルと業務について教えてください
加瀬様:弊社の使命は、砂糖などの甘味料や機能性素材の提供を通じて、国内外のすべての人の豊かな生活と健康に貢献することです。“糖類を扱うプロフェッショナル”として、また明治グループ唯一の開発型専門商社として、安全・安心と健康を追求しています。
創業以来、暮らしの原点である「食」を見つめ続け、世の中の多様化するニーズに合わせて、開発から仕入れ・販売まで包括的に展開してきました。高品質な砂糖を提供する「砂糖事業」、さまざまな糖化製品や周辺素材を提供する「糖化穀粉事業」、フラクトオリゴ糖など機能性の高い付加価値素材を扱う「機能性素材事業」、さらにフルーツ加工品や餡など食品素材を届ける「食材事業」を加えた4事業が柱となっています。
関谷様:業務統括部業務グループは、輸入通関の海貨業者さんとの折衝や書類確認、海外送金業務、為替予約・管理から社内の仕入計上まで一連の輸入業務全般を担っております。
業務統括部業務グループ 関谷香奈子様
物流がパンク寸前なのに、ドライバー不足&ドレー確保が困難。少ないマンパワーで輸入業務を行うことが限界に。
―導入時の背景と課題について教えてください
関谷様:2018年頃、ドライバー不足かつドレーの確保が困難になるという問題が発生しました。扱う商品がフルーツ缶詰のため、かなりの重量がありコンテナを運ぶ際に3軸シャーシの利用が業務上必須でした。しかし一般的には2軸のものが主流なので、3軸シャーシを持っているところがそもそも少なく手配できない…さらに取引物量も多かったので、押さえるのが本当に大変で、当時は泣きながら仕事をしていた記憶があります。
さらに揚げ地(各港)ごとに海貨業者さんの担当が分かれており、かつ数も多く、業者によって対応や、やりとりも異なります。海貨業者さんから倉庫への納入調整も全て自分が間に入るため、複数個所の港ごとにExcelでスケジュールをまとめて共有ファイルにアップする等、業務が煩雑になり作業効率も悪化しました。解決策を模索して海貨業者さんの集約を検討してみたものの、難しい状況でした。
業務目標として常に業務効率化を掲げていましたが、このような状況下ではもちろん実現に至りませんでした。そんな状況を見かねた前部長が、外部委託企業を活用した物流の最適化の検討を開始しました。ただ、当時の自分としては「通関業務は商社の肝。外部の人間に一任するなんて無理なのでは…」と、どちらかと言うと懐疑的な目で見ていたんです。
加瀬様:これまで一般的に、商社にとって通関や倉庫輸送もひとつの業務であるという認識があるため、それを外注するという事に全社的に抵抗を生む背景があったのかもしれませんね。それに当社では、クラウドサービスの活用も進んでいなかったので。それがちょうど2021年頃が転換期でマッチしたんだと思います。
企画総務部長兼業務統括部長 加瀬康範様
クラウド上で港ごとの物流業務が容易に管理・共有できる!「Shippio」が明治フードマテリアのクラウド第一号に。
―「Shippio」検討のきっかけについて教えてください
関谷様:コロナ禍に入る前、たまたま展示会で弊社社長がShippioの土屋さん(取締役COO)とお話したことがきっかけです。2020年3月に初めてお話を詳しくお聞きしました。業務に限界を感じていたものの、それまでクラウドサービスを全く使ったことがなく、やはりどうしても半信半疑で…。
「Shippio」導入前に2社ほどクラウドサービスをトライアルする機会があったのですが、なかなか馴染めず、さらにシステム使用料も発生したため、実現には至りませんでした。
ところが「Shippio」を初めて使ってみて、驚くほど使いやすかったんです!これなら複数の海貨業者さんとのやりとりも一本化でき、複雑な物流業務の可視化が容易になるのではと実感しました。当然システムについてもあまり詳しくなかったのですが、分からない点はすぐに教えていただけるし、機能面のフィードバックも迅速。サポート面が手厚い点も決め手になりました。
クラウドサービスの利用には明治本社の承認が必要だったため、導入に至るまでは多少時間がかかりましたが、2021年11月から本格的に開始できました。そこから一気にフル活用するまでに加速して今に至ります。
倉庫・海貨業者・弊社の三者間でのやりとりを「Shippio」で完結。導入後は物流業務の作業効率50%削減に成功!
―導入後の効果は?
関谷様:現在は使用開始から1年になりますが、業務効率については約50%の削減が実現できていると思います。お陰様で泣かずに笑顔で仕事ができるようになりました(笑)!一番のメリットは納品先の倉庫、海貨業者さん、弊社の三者間でのやりとりがクラウド上で可能になったことです。複数の物流業務が管理・共有できるようになったことで業務効率が格段にアップしました。
これまでは各拠点で海貨業者さんに書類を投げ、倉庫へ入庫依頼をして…と伝書鳩のごとく案件ごとに何度も両者へ連絡を入れていたのですが、「Shippio」上の操作で全て一気通貫できるようになりました。さらに海外現地法人でもクラウドサービスを活用し、書類の受渡しや動静確認を行っております。
Shippioの活用状況 上流の海外現地法人から下流の納品先倉庫まで一貫で活用
最初は私自身もクラウドサービスに対して抵抗感があったように、各拠点の倉庫への導入は難しいだろうと考えていました。しかし、クラウド使用料がかからない点と導入の際にShippioメンバーが直接サポートに出向いていただけたので、スムーズに導入が進みました。結果、ほぼすべての拠点での導入することができました。導入後のフォローアップ体制も素晴らしく、現地からのクレーム等もなし、最新の状況を関係者で容易に管理・共有できる状況が実現できました。
Shippioクラウドサービス デモ画面
請求書業務を「Shippio」に一本化できたことも非常に大きいですね。これまでは各業者へ請求依頼や催促をしていたのですが、その部分の業務時間も短縮できました。「Shippio」上にアップいただいたものはExcelファイルでダウンロードできるので社内計上も容易で、この点もかなり高評価です。
私自身が担当している商材のうち、フルーツ缶はほぼ100%「Shippio」へ移行が完了しました。担当者が不在でも社内で情報を共有でき、分からない点はいつでもどこでもチャットで問い合わせが簡単にできる。「Shippio」なら在宅でも物流業務がスムーズにできるので、社内全体の業務効率化に向けて自分が体感しているメリットを今後もさらに普及できたらと考えています。