輸送データを活用したサプライチェーンの最適化

2023.10.05

近年、グローバル化を進める荷主企業が抱える大きな課題として、生産と消費を結ぶサプライチェーンの最適化があります。その課題を解決するために、荷主企業のデータ活用への関心は高い傾向にあります。膨大な輸送データを武器にできれば、サプライチェーンの最適化が可能となり、経営に貢献できるのではないでしょうか。

Shippioでは2023年8月31日に「輸送データを活用したサプライチェーンの最適化」と題して、クラウドサービスを利用した輸送データの蓄積と分析、その活用について、Sales Directorの竹原がセミナーを行いました。

 

Profile

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竹原 功将 / Sales Director
みずほ銀行にて法人新規営業に従事し、若手優秀賞を複数回受賞。SMBマーケットにおける新規獲得で年間1位を記録。その後、ベガコーポレーション(グロース上場・家具EC)にて、経営企画やSCM戦略部の責任者として、サプライチェーンに関わる戦略立案・実行・オペレーション管理に従事。サプライチェーン全体の改善活動に従事し、半年で7,000万円以上のコスト削減を実現。管轄領域は国際物流から国内保管、国内配送まで多岐にわたる。 freee株式会社では、カスタマーサクセスやアライアンスの企画立案・運営・パートナー営業などに従事。現在は、株式会社Shippioにて事業会社向けのセールスマネージャーに従事。

 

 

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輸送データの蓄積・分析の例

輸送データの活用は、蓄積・分析・活用の流れで進める必要があります。Shippioのクラウドサービスは、日々の貿易業務の裏側で、さまざまな輸送データをシステムに蓄積します。

その輸送データは、月別、輸送ルート別、キャリア別の輸送件数、あるいはリードタイムなど、細かくセグメントして取得することが可能です。またトランシップ港での滞留日数も把握することができます。蓄積されたデータを使って分析を行えば、どのような形で活用をしていけば良いのかが見えてきます

 

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例えば、輸送データを出発月で絞った場合、POL(Port of Loading:積地港)・POD(Port of Discharge:揚地港)それぞれの件数と平均のリードタイム情報が取得できます。

 

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経由港が多岐にわたっている場合は、各経由港の平均のリードタイムも取得することが可能です。

 

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またPODまでのリードタイムだけでなく、さらに先の納品先までのリードタイムも入力することができます。その結果、入港してから納品までの実平均日数も取得可能です。

 

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また、経由港ごとの滞留日数や平均のリードタイム情報も取得できます。サプライチェーンのコスト削減・最適化のためには、これらの輸送データを活用します。

 

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コスト削減については、「輸送データを活用したサプライチェーンのコスト削減」で詳しくご紹介しておりますのでお読みください。

本記事ではここから、「輸送データを活用したサプライチェーンの最適化方法」をいくつかご紹介していきます。

在庫量の最適化

海外調達の分野において、下記3つの計画の変数はとても重要です。

  1. 販売の計画
  2. 海外生産の計画
  3. 国際物流の計画

     

    つまりPSI計画(※2)は、この3つの変数を最適化させて作成する必要があると考えています。

 

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Shippioのクラウドサービスは、国際物流の「輸送のリードタイム」に関して、データに基づいた計画を作成することが可能です。過去の輸送データの予測と実績、またその差分の数字が取得できるので、予実管理も問題なく行えます。

輸送データの活用で、国際物流の計画作成に時間を割かなくて済むことで生まれた余剰時間を、販売と生産計画に使うことができます。

※2 Production(生産)、Sales(販売計画)、Inventory(在庫)の頭文字を取ったもので、生産・販売・在庫を同時に計画すること

発注点の管理

PSIの計画通りに調達するためには、計画の作成だけではなく、正しい発注点で管理することも大切です。つまり、データに基づいた発注のリードタイム管理が必要です。

 

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この発注リードタイムは、「生産・製造のリードタイム」と、完成品を日本に輸入する「輸送のリードタイム」の2つがあります。Shippioのクラウドサービスで把握することができるのは、「輸送リードタイム」です。

過去のデータ実績から正しい発注点を管理することにより、当初の予定よりもリードタイムが短縮されて発生する過剰在庫であったり、逆に長期化して発生する在庫不足などを、事前に防ぐことができます。

輸送ルートの最適化

輸送のリードタイムは、国内外ともに同じPOL・PODだとしても、経由港の違いによって平均リードタイムが変動します。それらの過去実績をデータとして把握すれば、最適なルート選定が可能となります。

実例として、過去実績をデータで分析した結果、リードタイムを15日間短縮した荷主企業さまもいらっしゃいます。

 

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働き方改革関連法による「2024年問題」の観点から見ると、今後は国内での長距離輸送が難しくなってくることが予想されます。安定輸送のためには、地方港を上手く活用した陸走距離の短縮・最適化も提案しています。

地方港を活用した際のデメリットとして、国際輸送のリードタイムが正確に把握しづらい点が挙げられます。主要港から地方港へ切り替えた場合、トランシップが増える可能性が高くなり、リードタイムが長引くことが想定されます。データを活用しリードタイムを可視化することにより、地方港切り替えの検討やリードタイムの最適化も実現できると考えています。

詳しくは、『2024年問題対策!「地方港活用による安定輸送とコスト削減」』にご紹介しておりますのでお読みください。

出荷スケジュールの最適化

輸出における出荷スケジュールの最適化も可能です。海外販売の営業担当者が直近の輸送実績を基に在庫状況を顧みて輸送のリードタイムを把握すれば、海外の販売先への納期遵守率を改善できます。

 

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データ分析だけでなく、Shippioのクラウドサービスは貨物の輸送状況をタイムリーに把握することが可能です。また、遅延が発生した場合もすぐに把握することができます。従来は貿易実務担当者へ問合わせするタイムラグがありましたが、営業担当からリアルタイムで海外の販売先へ連絡することも可能です。

正しく輸送スケジュールを把握することが、海外販売営業の差別化となり、売上げへの貢献や顧客開拓にも一役買うと考えています。

輸送手段の最適化

有事の際など、緊急で輸送の判断が必要となるタイミングでもデータ活用は活きると考えています。トラブルが発生した場合、まずは情報収集を行い、そこから判断をして指示を出す必要があります。

Shippioのクラウドサービスはシップメントごとに管理しているので、有事の際に対象となる貨物を、絞り込みやワード検索で即座に特定することが可能です。例えばPOL・PODや、シッパーやコンサイニーで絞り込むことも簡単にできます。これにより、該当シップメントもコンテナの所在や状況を即座に把握することができます。

 

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輸送状況が判明すれば、データで直近の輸送リードタイムを確認することで、輸送の最適なルートを提示することができます。データを基に確認すれば、代案としてAIRやLCLでの対応、もしくは国内横持ち(※3)で対応できる別の港選定なども選択肢として挙げられます

またクラウドサービスなので、貿易実務担当者さまのみならず、社内外の方も最新情報にアクセスすることが可能です。各シップメントごとの画面上で、貿易実務担当者さまはもちろん、営業、海外の現地法人と同時にチャットでスムーズに会話をすることができます。

つまり、「人が情報のハブ」から「クラウドサービスが情報のハブ」に切り替えることで、指示確認・対応策の意思決定など迅速な初動対応を取ることができ、輸送手段の選択ミスによる納期トラブルを回避することができます

※3 工場・店舗・支店などの社内の拠点間で、商品移送を行う場合の輸送のこと

データ活用で企業価値向上

サプライチェーンの最適化は、さまざまな形で実現できると考えています。同時に、荷主企業さまごとに重要視しているKPIに合わせ、柔軟に調整する必要もあると思っています。

輸送データを上手く活用すれば、企業価値向上にも繋がります。国際物流の輸送データ活用で、リードタイムを最適化できれば、サービスレベルの向上に繋がり、売上増加に貢献できます。またデータ活用でコスト削減を実現すれば、利益率の改善に繋がります。在庫量の最適化では、キャッシュフローの改善や有利子負債の圧縮などの可能性もあると思っています。

このように、国際物流の輸送データ活用は、企業価値向上にも寄与できると思うので、データ分析の目的を明確にした上で取り組んでみてはいかがでしょうか。

Shippioではデータを活用した事例の紹介や、クラウドサービスの画面を実際にお見せする体験デモもご提案できます。ご興味がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

 

 

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